第3726冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる! 近藤崇之 (監修)

 

 

 

 

介護リーダーの仕事と役割がわかる!

介護リーダーの仕事と役割がわかる!

  • 発売日: 2017/12/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

-相手の話全体を聞き、声や態度にも注意する

 

リーダーが聞き上手だとスタッフも話しやすくなります。上手な話の聞き方のポイントを覚えておきましょう。

 

 

まず話全体を聞く姿勢をもつこと。たとえば、困っている様子のスタッフに「どうかしたの?」と声をかけたとき、スタッフが「リーダーにはわからないと思いますが……」と話し始めたら、どう思いますか? そのひと言でカチンときて聞く気をなくしそうです。しかし、リーダーがそれでは困ります。

 

 

スタッフの言葉尻や話の枝葉にとらわれず、話を最後まで聞いてみる努力がリーダーには欠かせません。

 

 

スタッフが話すとき、その言葉と言葉の奥にある気持ちが、実は一致していないことはよくあります。リーダーから「感染症対策委員会の委員を任せたいんだ」と声をかけられたスタッフが、口では「はい、できます。がんばります」と答えたとしても、内心は「失敗したらどうしよう」と不安だったり、「そんな仕事はやりたくないな」と思っているかもしれません。リーダーはスタッフの話し方や声の調子、態度などに注意して、スタッフの本当の気持ちをよく理解するようにしましょう。

 

 

共感的にまとめたり、別の提案に結びつけたりする

仕事の話やミーティングの場で、スタッフが見当違いな発言や主観的な発言をすることがあります。聞いていては思わず反論したくなったり、イライラしたりすることもあるでしょう。しかし、リーダーとしては、相手の話を最後まで聞くことが大切です。聞いているだけでイライラするとう場合は、メモを取って話の内容を整理しておきましょう。感情的になって口をはさむのは共感とは反対です。絶対にやめておきましょう。

 

 

そして、スタッフの発言を聞き終わってから「〇〇さんの話は、こういうことですよね」と共感をもとに話を要約しましょう。そのうえで「でも、それは私たちのチームの目標が少しずれていませんか」と、スタッフ自身に気づいてもらうように問いかけるのです。

 

 

もし、スタッフが「そういうことではありません」と答えたら、「じゃあ、どういうこと?」と投げかけて、より深く考えてもらうきっかけにします。あるいは「そのパワーをこういうことに使ったらいいと思う」と相手の気持ちを踏まえながら別の提案につなげていったりします。