第3691冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田則夫(著)

 

 

 

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

 

 

 

-ホウレンソウができる人

 

 

ホウレンソウの基本は、報告されたこと、連絡されたこと、相談されたことを正しく理解し、業務に活かしていくことである。自分自身が情報を伝える側である場合は、自らが報告したこと、連絡したこと、相談したことが、必要は人や部署のもとに届いているかを確認する。

 

 

ホウレンソウができる人を育てるためには、この基本的部分を的確に教えていく必要がある。あわせて、ホウレンソウに関するルールの確認、徹底も組織全体で図っていかなければならない。ホウレンソウがうまくいかない職場には、平気でルールを守らない人がいるのに、放置されているという共通点がある。ルールを明示、再確認すると同時に、ルールはきちんと行動を起こして守るためにあるという点を、リーダー職員が繰り返し強調していくことが必要である。

 

 

さらにもう一点、リーダー職員が部下・後輩に伝えるべき重要なポイントを紹介する。ホウレンソウを機能させる職員になってもらうには、受け身の姿勢との訣別が必要になる。職業人として働いていれば、どのような情報を共有する必要があるからわかるようになる。その情報が手元にないときは自分で動いて取りに行くのが、本来、身につけるべき基本姿勢だ。

 

 

この姿勢が身についていなければ、どんなにホウレンソウのシステムを整備しても、情報共有はできない。情報は「来るのを待つ」のではなく、「取りに行く」。「聞いていなかった」「知らなかった」ではなく、自ら動いて、必要な情報(共有すべき事柄)を「聞いた」「知った」状態にしていく。こうした姿勢を身につけるよう、部下・後輩を指導することが今、リーダーに強く求められている。

第3690冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田則夫(著)

 

 

 

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

 

 

 

-どんなに経験を積んでも利用者に学ぶ謙虚な姿勢をもち続ける人

 

 

福祉の仕事に携わる人にとって、最も恐いのは、驕りの罠に陥ることだ。「利用者のことは何でもわかっている」「私と利用者との間には完璧な信頼関係ができている」という思い込みや自信過剰の状態に陥ってしまうことだ。驕りや自信過剰は、重大な結果を職場にもたらしやすい。福祉の職場で働く人を、極めて不適切な接遇姿勢、プロと呼ぶには値しない介護・視線・保育・療育・権利侵害あるいは虐待と指摘されかねない言動に陥らせてしまうことがある。

 

 

なぜそうなるのか。「わかっている」「完璧な信頼関係ができている」といった思いは、危機意識を失わせるからだ。素人が見ても、「そんな接遇は不適切だろう」「そんな態度で接するのは不謹慎だろう」といった態度を示しているのに問題だと思わなくなる。

 

 

例えば、認知症の高齢者に対して、「○○ちゃん、ご飯の時間だよ。こっちにおいえ」と子どもに相対するかのような接し方をする。自分の思い通りに動いてくれないと、「そうじゃないよ。ダメでしょ」と子どもを叱るような対応をする。正しくない接し方をしているのに、「人間関係ができているから問題ない」と、自分の行為を正当化する心理状態に陥ってしまう。

第3689冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田則夫(著)

 

 

 

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

 

 

 

-相手が心地よいと感じるあいさつ、言動、所作が示せる人

 

 

職場に明るさと元気をもたらし、ともに働く人が気持ちよく業務がこなせる職場風土を作り出すようなあいさつをするかによって、明るい一日の幕開けになる場合もあれば、気が重い一日の始まりになる場合もある。

 

 

人がどのような所作であいさつをするか。この点に影響を及ぼす影響はたくさんがあるが、最も大きな要因となるのは生活習慣だ。人は、人生のなかで、さまざなま集団、組織に所属する。家族に始まり、保育園・幼稚園、小学校、中学校、そして、義務教育後の学校教育機関などへの所属を経験する。現在の仕事に就く前に、他の業界で正社員あるいは非常勤職員として働いた経験、町内会をはじめとした地域組織への参加、職場以外の団体やサークルなどに所属した経験があるかもしれない。

 

 

これらの経験が「どんな態度や姿勢であいさつをするか」に影響を及ぼす要素となっている。

 

注目すべきは、長い年月をかけて、生活習慣の一つとして身につけたあいさつの際の姿勢や態度が、現在の職場のなかで、望ましいものになっているとは限らないという点だ。福祉の職場を訪ねると、あいさつという基本動作が十分にできていない職員に出会うケースが少なくない。

 

 

もしリーダー職員として働く職場がこの状況にあるとするならば、即座に行動を開始しなければならない。万が一、初任者研修に、あいさつについて明確に盛り込まれていない場合は、可及的速やかにプログラムのなかに組み入れるようにしよう。

第3688冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田則夫(著)

 

 

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

 

 

 

あらゆるのハラスメント行為は人権侵害であり、決して許される行為であるということを、しっかりと心に刻み込む。

 

 

ハラスメント行為は言うに及ばす、そう指摘されかねない行為も決して示さないという心に誓う。

 

 

ハラスメントがあったかどうかを判断する際、ベースとなるのは、その行為を受けた側がどう感じたか、という点だ。「これくらいは大丈夫だろう」「信頼関係があるからいいだろう」「発言に悪意がないことは相手もわかっているだろう」という甘い考えはすべて捨てる。

 

 

ハラスメントの報告を受けたり、実際に目にしたりしたときは、職場内のルールに基づき、速やかに適切に対応するようにする。

第3688冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田則夫(著)

 

 

 

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

 

 

 

思いつきの暴走を繰り返すと、チームは疲弊し劣化する。リーダーはあてもなく、ただ前だけに突き進む暴走列車に成り果ててはならない。

 

 

自分が行った提案に対して、部下・後輩が乗り気ではない反応をしたとき、冷静に、提案内容や提案の仕方に問題がなかったか、振り返る点検する姿勢を示す。まかり間違っても、部下にやる気がない、後ろ向きであると決めつけよるような発言はしない。万が一、部下の姿勢に問題があることが明らかになった場合には、何が彼らをそういう姿勢に追い込むのか、原因を明らかにする取り組みに着手して、解決策を講じていく。

 

 

リーダーに求められるのは、明確な目標を共有し、その達成に向かってチームを導いていくことである。メンバーとの相互理解と信頼をベースとして、目標達成に突き進むチームカラーを作りあげることである。

 

 

 

第3687冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田則夫(著)

 

 

 

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

 

 

 

 

評論活動に終始するのは、リーダーの仕事ではない。やるべきことを的確に把握し、実行に移す。そして、やり遂げていくことことそが、リーダーが果たすべき使命である。部下とともに、やるべきことを成し遂げ、成果を積み重ねていく。担当するチーム、部門、部署が着実に成果をあげられるようサポートしていくことが、リーダーには求められているのである。

 

 

リーダーが部下・後輩にまず伝えなければならないのは、組織が掲げる理念や広く認知されている福祉理念、職業倫理に基づくリーダーとしてのビジョンであり、思いだ。そして、ビジョンに向かって進むための、具体的なアクションプラン(行動計画)についても言及する。「何を」「いつからいつまでの期間に」「どのような手順や方法で実現していくのか」について、明確な見通しを示さなければならない。

 

 

目標達成に向けたアクションプランは、リーダー単独で作る必要はない。他の職員との協働作業で作りあげてよい。一緒に作っていけば、職員の育成につながり、職員との一体感の醸成につながっていく。

 

 

部下や後輩が自分の指示を理解してくれないという事態に直面したときは、相手を責めるという姿勢を示すのではなく、指示の出し方に問題がないか、まずは振り返る姿勢をもつ。

 

 

自分の指示の出し方、すなわち、伝え方に問題があることがわかった場合は、理解につながるようなコミュニケーションの工夫をする。具体的には、指示を出す前に、何を伝えたいか、なぜそれを伝えたいと思っているのか、確認する。そのうえで、「何を」「何のために」「いつからいつまでに」「どのような手順や方法で」などを意識しながら、伝えるようにする。

 

 

部下に、「何を」「どうするのか」、考えてもらう場合であっても、指示を出す上司自身(リーダー自身)が「何を」「どうすることを求めるのか」という点について見当をつけておくことが必要だ。そうでなければ、指示を受けて、部下が動き始めたとき、期待通りに動いているか、判断できないからだ。また、途中で質問を受けたとき、「何を」「どうするのか」、明確な指針が示せないからだ。

第3686冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田則夫(著)

 

 

 

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

 

 

 

今、自分がリーダーシップを発揮する領域ではどのようなレベルの業務、介護、支援の実現が求められるのか、福祉系月刊誌・専門誌・新聞・テレビなどのニュース報道を通して、理解する。

 

 

「達成が求められる業務レベルは常にあがり続ける。過去と同じレベルにあるのは実質的にはレベルダウンを意味する」

 

 

「業務のレベルアップを図りたい」という思いをもった部下からの提案に対しては、前向きな姿勢で傾聴する。提案内容が不十分な場合、提案の根拠が不明確な場合は、その旨を本人にわかるように伝え、バージョンアップするようアドバイスする。

 

 

職員が、「うちの職場はどんなレベルアップを図っていく前向きな事務所だ」と心の底から実感できる組織風土つくりを着実に推進していく。

 

 

業務に一切関係ない職員のプライベートを根掘り葉掘り聞くような行為は、聞き方や聞く際の態度によっては、人権侵害行為とみなされるケースがある。部下や後輩のプライベートに不用意に立ち入らないよう心がけなければならない。

 

 

リーダーシップを発揮する立場になったら、リーダーとして何を他の職員と情報共有する必要があるか、リストアップし、整理する作業に取りかかる。続いて、情報共有がスムーズに行くようにするためにどうすればばよいか、具体的方法の確立に向けて知恵を絞る。