第3493冊目  FBI捜査官が教える第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター   (著), 西田 美緒子 (翻訳)

 

 

 

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

 

 

 

 -目――快適な表情

 

 

恋人どうしが「互いに見つめ合ったまま、目をそらすことができなかった」という情景が描写されることは多い。これは実際によくあることで、目をのぞき込む動作は恋人の決まり事になっている。すでに説明したように、私たちは好きなものをよく見ようとして瞳孔を開くわけだから、恋人どうしが長いあいだ互いの目を見るのもうなずける。しかし、私たちは信頼できない人や状況からも、同じように「目を離さない」。よそ見をして物思いにふけるという辺縁系の贅沢を味わえるのは、互いに心からリラックスしたときだけだ。快適なときには、目のまわりの筋肉からすっかり緊張が消えて、目が自由の動くようになる。じっと見つめるわけでもなく、視線が落ち着きなく移りかわることもない。

 

 

アーチ型に上がった眉は重力に逆らうノンバーバルで、目が大きく開き、文字おどりたくさんの光を取り入れられるので、相手を認めていることがわかる。だから、家族や仲良しに会うと、思わず眉がアーチ型に上がる。同窓会で大学時代のチームメイトを見つけた瞬間、あるいは好きな人が部屋に入ってくるのが見えた瞬間、私たちの眉はアーチ型になり、瞳孔が広がって、この嬉しい出来事をよく見ようとする。この表情の華々しい変形が「まん丸の目玉」で、眉毛がすばやく、とても大きく上がる――サプライズの誕生パーティーで、主役が到着したときの様子を思い出してみよう。

 

 

これらのノンバーバルを意図的に利用すれば、自分の言いたいことを強調し、話している内容を前向きにとられている気持ちを相手に伝えることができる。

第3492冊目  FBI捜査官が教える第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター   (著), 西田 美緒子 (翻訳)

 

 

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

 

 

 

-頭と首

 

 

私たちが首をかしげるのはとても快適に感じているときだけで、特にまわりに人がいる場合はそうだ。首をかしげれば、体のなかの最大の急所である(空地、食べ物、血液、神経信号の通路がすべて集中している)首を、危険にさらすことになる。不安や恐怖を感じているとき、または嫌いな人や見知らぬ人のいる前で首をかしげるのは、ほとんど不可能に近い。やってみればわかるだろう。だから仕事の場で、相手が首をかしげるのを見れば嬉しい。それは自分が温かく迎えられていることを示しているからだ。

 

 

首のあたりに触れるしぐだも、非常に重要で明らかな「なだめ行動」だと考えられる。首の一部や喉元のくぼみを手で隠すしぐさは、大脳辺縁系が異常で注意が必要だとみなした刺激に対する、特に顕著な反応だ。私たちは普通、何かに動揺した、脅えている、戸惑っている、危険の可能性を感じた、または――理由は何であれ――不安を感じたときだけ、首のあたりに手をやる。首は体のなかで最も攻撃を受けやすい部分だから、これは生物学的に理にかなっている。

 

 

額にしわを寄せる表情は、前後関係によって解釈が異なる一般的なノンバーバルだ。たとえば、集中、心配、混乱、悲しさ、怒りを表すことがある。しわを寄せたあとに頭を触ったら、普通は何か問題があることを示している。

 

 

首をかしげることによって、「私は聴いています、快適です、気持ちよく受け入れます、友好的です」という気持ちを効果的に伝えることができる。こうして首が見えるようにする動作は、打ち解けた人や環境にしか使わない。

第3491冊目  FBI捜査官が教える第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター   (著), 西田 美緒子 (翻訳)

 

 

 

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

 

 

 

-頭、顔、首

 

 

人は驚くほど鋭く顔の表情を読み取る――目に入るものに注意を向けていればの話だが。赤ちゃんでさえ顔の表情を認識するから、怖い顔を近づければ泣き出してしまうだろう。種としての生き残りをかけて、共同体としてのつながりを築くために、大切な情報を伝えるために、危険に対して団結するために、人間にとって顔の表情を読む能力は何よりも重要だった。筋肉が複雑に組み合わさった顔は、無数の表情を作ることができ、感じていることや考えていること、気分などを、リアルタイムで伝えている。顔の筋肉はほとんど無限と言える多様な動きと、動きの組み合わせによって、印象的なノンバーバル情報の流れを一瞬にして伝えることができる。

 

 

顔の表情は人間どうしのやりとりにとって非常に重要だからこそ、私たちは幼いころから、本心を顔の出さないことを学んでいく。そのために、また顔の表情は変化に富んでいてかすかなもので、マイクロエクスプレッションに細かく注意を払い、これまで説明してきた体のほかの部分のノンバーバル――敏感に反応する胴体、表情豊かな腕と手、「正直」脚――組み合わせて考えることが大切になる。

 

 

さらに、「シグナルが混じり合っているときの原則」も関係してくる。この原則では、誰かの顔の表情と言っている言葉が一致していないとき、または顔の快適と不快の矛盾した手がかりが両方現れているときには、不快な感情の手がかりを第一に考える。なぜなろうか。無意識のうちに起こる大脳辺縁系の反応は、スピードでも正直さの点でも意識的な言葉の反応より強力だからだ。そして不快を表すノンバーバルは、同じ理由から、喜びを表すノンバーバルよりも信頼できる。多くの場合、人が「嬉しそうな顔を装う」のは、本心を表したあとになる。口で何と言おうと、一瞬だけ嫌悪、軽蔑、失望、無関心の表情が見えたなら、その感情が本物だ。

第3490冊目  FBI捜査官が教える第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター   (著), 西田 美緒子 (翻訳)

 

 

 

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

 

 

 

-体に触れるという、難しい問題

 

 

私たちが手をどのように使って自分自身をなだめているか見てきたが、手を使えば、文字どおりまわりの人とつながり合うこともできる。研究によれば、体の触れ合いが健康にとってきわめて重要なことがわかっている。心拍数を減らし、不安を鎮め、平均寿命を延ばし、心の絆を深める。体の触れ合いによって快楽物質のエンドルフィンが分泌された。なかでもオキシトシンが絆を深める役割を果たす。研究者たちは子どもにとって体の触れ合いが不可欠なことを明らかにしていて、IQを伸ばすだけでなく、社会生活に必要な能力も発揮させるうえで重要だという。触れられずに育つ子どもは、感情的にも知的にも、まさに痩せ細る。ただし、体の触れ合いが必要なのは子ども時代だけでなく、一生の問題だ。

 

 

私は、敬意を表して適切に体に触れることが、ビジネスの世界でも重要だと確信している。問題は、すべてのノンバーバルに共通のこととして、相手の快適さのレベル、社会規範、前後関係をよく理解することにある。私は生まれつきハグが好きで、それは友人のあいだでは周知の事実になっているが、体を近づけるのを嫌がる人が多いことは承知している。ノンバーバル・インテリジェンスの役割のひとつは、個人個人が必要としている距離と触れ合いの程度を見極め、尊重することにある。老人ホームを訪問してみると、高齢者は心と体の触れ合いを極度に必要としていることに納得がいく。だからこそ、セラピードックの慰問がとても重要なのだ。

 

 

観察力を発揮して、触れることによって快適さのレベルを測ってほしい。よくわからなければ、慎重すぎるくらい慎重になるべきだ。FBI捜査官が教えるしぐさの心理学でも述べているように、初対面の人に会うとき、相手に触れることなく大脳辺縁系が快適に感じられるようにする方法がある。腕の力を抜き、(私は落ち着いています)とうメッセージを送る、体の前面をよく見えるようにし、(私はあなたを信用しています)、できれば手のひらをはっきり相手から見えるようにしながら(私はあなたを傷つけません)、近づく。握手を済ませたら、斜め後ろに少しだけ下がって様子を見るように。相手がこちらに近づいてくるか、逆に遠ざかるかしたら、それがその人の必要な空間の広さを表している。

第3489冊目  FBI捜査官が教える第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター   (著), 西田 美緒子 (翻訳)

 

 

 

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

 

 

 

-自信がなく、なだめ行動をしている手の動き

 

 

人はさまざまな方法で手をなでることによって、不安な心を表現したり、ストレスを和らげたりしている。手のひらをこすり合わせる、片方の手のひらを別の手の指でさする、などのしぐさだ。こうした動きの速さや強さは、大脳辺縁系の反応の程度に支配されている。さすっているうちに指がからみ合って、手を組んでしまうと、深い、ほとんど祈るような心配があることを誰の目からも明らかになる。

 

 

私がこれまで見た最も極端なストレス解消の、または自分を落ち着かせるしぐさは、両手の指を伸ばしたまま組み合わせて、上下にこすり合わせるものだ。普通は、とても深刻な感情的ストレスまたは不安を抱えている人だけに見られる。この動作からは、本人が解消したいと感じている心の緊張があることを、とても正確に読み取ることができる。発しているのは、「私には重大な心配事または疑念がある」というメッセージだ。

 

 

手の動きの変化は辺縁系の反応の移り変わりを示すとみなして、注目してみよう。たとえば、リラックスして落ち着いていた手を、突然こすり合わせたり組み合わせたりする様子はどうだろうか。反対に、もしも手が「固まる」様子が見られ、急に動きを止めたり、ぎこちない動きになったり、膝のあいだに隠されたりしたら、自信をうしなったこと、または目の前の場面が不快であることを表している。

 

 

私はFBI時代に取り調べをするとき、相手の手が見えなくなる動作に注目していた――特に、相手が自分の尻と椅子のあいだに両手を挟んで座るときは要注意だった。手を動かせなくするのは明らかに大きな不快の表れで、ウソをついている人や、悪いことをして逮捕された人によく見られる。不安を抱えた者にとって両手の上に座ると快適なのは、こうすると肩が耳の近くまで上がり、自信のなさや不安定な心を守るしぐさになるからだ。

第3488冊目  FBI捜査官が教える第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター   (著), 西田 美緒子 (翻訳)

 

 

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

 

 

 

-大きな自信を表す手の動き

 

 

尖塔のポーズ――両手を広げて指先どうしをつけるしぐさ――は、非常い強い自信を表現する。弁護士、判事、大学教授、会社役員は、自分の言葉、考え、地位に対する自信を表すために(クセで、または練習の成果で)頻繁にこのポーズをとる。尖塔のポーズは無意識のうちに出るものだが、世界共通で、とても重要だ。自分自身、自分の意見、そして自分の考えかたに安心感をもっていることを表す。

 

 

このポーズには自分のメッセージを強めるという働きだがある。セミナーを行うときや大勢の前で話すとき、あるいはプレゼンテーションの場で、必要に応じてこのポーズをとれば、自分が言っている内容に自信があることを聴き手に伝えることができる。何年も前になるが、講演会の講師は尖塔のポーズをとるべきではないと言った人がいた。しかしそんな言葉は忘れたほうがいい。誰かが確信をもって話していると判断するために、私たちはこのしぐさを期待している。

第3487冊目  FBI捜査官が教える第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター   (著), 西田 美緒子 (翻訳)

 

 

 

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

 

 

 

マニュキュアを楽しむ女性なら、爪の長さはほどほどにするように。あくまでも爪であり、かぎ爪ではないのだ。長すぎる爪はビジネスの世界では受け入れられない。私個人の好き嫌いの問題ではなく、いくつもの消費者グループ調査で、男性と女性のどちらにも長い爪はとても不評なことが明らかになっている。

 

 

両手はいつも相手から見えるようにしておくこと。すでに述べたように、私たちは大脳辺縁系の働きによって、相手の手が何をしようとしているかを見定めている。治安に携わる者は、特にこの意識に磨きをかけてきた。私がFBIを退職して何年も経つ今になってもまだ、近づいてくる人の手をチェックしてしまう。警察官ならよく知っているように、自分のことを傷つけることができるのは、相手の手だけだ。

 

 

私は企業幹部に、手を役立てるようにと話している。状況によっては(たとえば思いやりを示すときなどは)手をあまり動かさずにおくが、たいていの場合は大いに活用するといい。手を使わない人や相手に見せない人は、よく使う人、相手に見せる人ほど、好感をもたれない。最も説得力のある講演会の講師は、手を使って聴衆の注意を引き、大切なポイントを強調し、忘れられない感情のこまったメッセージを伝えられるように訓練されている。

 

 

人は管理あるいは商品を販売しようとするなら、腕と手の使いかたを学んでほしい。腕と手は、伝えようとしているメッセージの象徴にも、考えをひとまとめにする額縁にも、話のリズムをとる指揮棒にも、思いやりを見せるクッションにも、強さの証拠にも、そして必要な場所では謙虚さを示す掲示板にもなる。

 

 

プライベートな場なら、いっしょにいる人の手の動かしかたをよく見て、同じ程度に動かせば、快適で信頼感にあふれた雰囲気を作ることができる

同調性には調和をもたらすことを忘れないように。また、体に触れるのが快適な状況にも注目しよう。仕事の場では、触れることが非常に効果的な状況が数多くある。大切なポイントを強調する、注意を引く、相手の話に割って入る、誰かが演壇に上がるのを助ける、祝うなど。適切で、コミュニケーションの効果を高めるならば、触れるべきだ。