第3512冊目  FBI捜査官が教える第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター   (著), 西田 美緒子 (翻訳)

 

 

 

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

 

 

 

おわかりのように、気持ちや態度から声まで、ノンバーバルの範囲に含まれないものはほとんどない。常に人の目にさらされていると思うと落ち着かないかもしれないが、ほかの人が自分をどう見てどう扱うかは、ほかならぬ自分によって決まるという点に気付くことでパワーが生まれる。自分がどのような人間に見られるかをコントロールできるのは、自分しかいないのだ。

 

 

二〇カ国以上の数百にのぼる組織でコンサルタントを務めてきた経験から、私がビジネスでの成功のノンバーバルと呼ぶものは世界共通だと断言できる。世界中のどのオフィスでも、勝者と敗者はすぐに見分けられる。卓越を求める者と二流に甘んじる者、道義をわきまえた者とわきまえない者。あなたがどんな人かを、周囲はすぐに見分ける。その判断の基準はふたつあり、ひとつはもちろんあなたのもつ能力だが、もっと重要なのは、あなたのノンバーバルなのだ。もしまわりの人々から、いっしょにいて快適ではない、信用できないとみなされてしまえば、それで失ったものを仕事上の能力で埋め合わせることはできない。この原則を無視するなら、職業生命を賭けることになる。

 

 

成功のノンバーバルをどれだけうまく活用できるかによって、どう受け入れられるかだけでなく、どんな人だと思われるか、どんなふうに扱われるか、そしてどう報われるかが決まってくる。仕事の成果だけを見せるなら、有能な数ある社員のひとりにすぎない。けれどもビジネスでの成功のノンバーバルを見せれば、並外れた人とみなされる。選ぶのはいつも自分であり、それは態度から外見まで、あらゆる範囲にわたっている。

第3511冊目  FBI捜査官が教える第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター   (著), 西田 美緒子 (翻訳)

 

 

 

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

 

 

 

-いっしょにいる仲間――これまで考えたことのなかったノンバーバル

 

 

いっしょにいる仲間のことをノンバーバルとみなす人は、ほとんどいない。ところが私がこれまで経営者や採用担当者、CEO、人事担当者と話してきたところでは、どんな人といっしょにいるかは、自分がどう見られているかに違いをもたらすことがあり、実際にもたらしていることは間違いない。

 

 

朝、目覚めたときに、「きょうは私が見つけられるなかで一番平凡で、鈍くて、怠慢で、つまらなくて、いいかげんで、底辺の社員といっしょにいたい」などと考える人間はいないだろう。本当は成功した人といっしょにいたい。ところろが、会社内でそういう人といっしょに過ごしている社員がどれだけいるだろうか? そばにいると見下されると思うから、避けてしまう。そんなのは不公平だと言いたいだろうか? そうかもしれないが、人生とは不公平なものだ。人はいっしょにいる仲間で判断され、選択を誤れば昇進の道から外れることもある。エリート主義になれなどと言っているのではない。私のまわりには、地位や職業や運命のせいでなく、その行動のせいで私たちの将来をだめにするような人間がいることに、気付く必要がある。

 

 

新人は、時間を無駄にするばかりの社員に注意しよう。私の知っている組織では、このような人物が話し相手をほしがり、新人とすぐに仲良くなる。新人は礼儀正しさから、抜け目なくまとわりつく人物の犠牲になってしまう。どんな組織にもそんな人物は存在するし、仕事にも、自分がどう見られるかにも悪影響を及ぼすことがあるから、用心しなければならない。

 

 

世界には、基本的に二種類の人がいることを肝に銘じるように。あなたのコップを満たしてくれる人と、あなたのコップを空にしてしまう人だ。仲良くしようと近づいてきたと思ったら、一日の終わりにはあなたのエネルギーも、考えも、成果も、みんな吸い取っていたというような人には注意が必要だ。そういう人はあなたを空っぽにしてしまう。

第3510冊目  FBI捜査官が教える第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター   (著), 西田 美緒子 (翻訳)

 

 

 

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

 

 

 

-礼儀は強力なノンバーバル

 

 

礼儀がどれだけ強力かを知りたければ、ひどい礼儀知らずといっしょに、またはその部下として、働いてみるといい。話に割り込んでくる、「お願いします」や「ありがとう」と言わない、「ごめんなさい」という言葉を知らない、重い荷物を運んだりドアを開けようとしたりコートを着ようとしている人に手を貸さない、口を開いたままで食べ物を噛む、テーブルで歯につまったまま食べカスを取る、そのほかの数えきれないほどの心ない行動をとる人たちだ。エチケットは、よく言っても堅苦しいし悪く言えば時代遅れなどと、誤った評価を受けている。それは間違いもいいところだ。エチケットとは、根本的に、人を快適にする技のことを言う。自分のまわりにどう影響するかを考えるのが、エチケットだ。特に今日のように多様性に富んだ社会では、日常生活でも仕事でも文化的、社会的基盤がわからない人たちと接する機会が多いから、この根本的な意味での礼儀が最も重要になる。

第3509冊目  FBI捜査官が教える第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター   (著), 西田 美緒子 (翻訳)

 

 

 

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

 

 

 

-習慣の力

 

 

習慣はさまざまなことを伝える力をもち、私たちの習慣のほとんどがノンバーバルだ。こんなふうに考えたことはないかもしれないが、あなたがすることはすべて、人から見られている。仕事上の習慣(いつ職場に到着し、いつ昼食を食べ、どれくらい時間をかけ、何時に帰るか、など)は、すぐに周囲の人たちに記憶される。

 

 

私が担当しているある会社は家族経営で、父親が創業し、長男がそのあとを継いでいた。やがてその弟たちも次々に入社したが、問題が起きた。弟のひとりが、何をやってもとがめられないと思ってしまったらしく、遅れて出社し、仕事も怠けるようになったのだ。長男が私にこう言った。「弟が遅刻をすると、士気にかかわります。なぜならほかの社員たちが、あの人は自分に割り当てられた仕事をしていないのに、なぜみんなと同じ給料をもらえるのかと思いますからね。弟を会社に入れたとき、きちんと言っておかなかったのを後悔しています。わかっているか、私はおまえの兄だが、何よりもまずこの会社の社長で、私たちはこの会社を経営していかなければならない。これは遠足でも、クラブ活動でもない、会社なのだと」。

 

 

社員たちは会社で起こるあらゆる出来事に、とても敏感だということを忘れてはならない。習慣的に遅刻する人やいつも早退する人がいれば、みんなにわかる。それはいつのまにか会社の状態を悪くする。

 

 

あまりにも頻繁にタバコを吸いに出る人やコーヒーブレイクが多すぎる人、いつもあちこちのデスクに出向いておしゃべりしたがる人は、全員に知られている。そういう人たちに初めて出会ったときには、人当たりのよさが心地よく感じられるかもしれないが、しばらくすると迷惑になってくる。仲間にならないように、そして付き合いにも注意しなければ、自分も同じ類だと見られてしまうだろう。オフィスをあちこち動き回るのは、「私事が、給料を払ってくれる会社よりも大事」と言っているノンバーバルになる。

 

 

組織の中でしていることはすべて注目され、たぶん自分の知らないところで話題になっている。時間を無駄にする、遅効する、与えられた仕事を終わらせない、言い訳をする、大変な仕事を避ける、電話で友人とおしゃべりする。いちゃちちゃするなどの習慣がある人は、やがてそれが原因で身を滅ぼすことになると自覚したほうがいい。

第3508冊目  FBI捜査官が教える第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター   (著), 西田 美緒子 (翻訳)

 

 

 

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

 

 

 

-巧みな話術は感動を生む

 

 

ちょっと待って、話術は言葉なのでは? そう問いたくなるかもしれないが、そうではない。言葉は使う語とその内容のことで、話術はどうやって話すかのことだから、ノンバーバルなのだ。バラク・オバマの大統領選出に一役買ったのは、彼の話術だった。巧みな話術に惹かれるのは、聞いていると元気づけられ、落ち着くからだ。私たちは考え抜かれた内容を、興味深く、簡潔に、はっきりと話す人に惹かれ、そのすべてが巧みな話術を生み出している。それは世界中で通じ、あらゆる人の心に響く。

 

 

話術を得意とする人は多くない。けれども気を配れば上達することができる。ウィストン・チャーチルは巧みな話術で知られ、その言葉が引用される機会の多さは英語圏でも指折りだが、その巧みさは努力なしで得られたものではない。演説の前には必ず、何度も何度も練習を重ねた。気の利いた言い回しも、前もって考え抜いたものだった。そして実際に人前で話す彼の言葉は、はっきりと明瞭に響いた。私たちでも同じことがいえる――実際、俳優がリハーサルでしていることと同じではないだろうか。

 

 

いきなり立ち上がってチャーチルのように話せる有能な人はめったにいない。私は新しい講演の原稿を用意したら、何度も練習を重ねてから本番にのぞむことにしている。言葉も身ぶりも習性のように身につくまで練習する。ひとりでやるものいいが、友人や家族の前で練習して、率直な意見を求めるのもいい。言葉や話かたが実際にどう聞こえるかに耳を傾ける。自分の耳で聞くと、使う言葉や抑揚を変えたほうがいい部分に気付くことが多い。そして練習のときにも人前で話すときにも、自信をもって身ぶりを加えることを忘れずに。それは言葉を補強し、話術をさらに巧みにする。

第3507冊目  FBI捜査官が教える第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター   (著), 西田 美緒子 (翻訳)

 

 

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

 

 

 

会う前に声を聞くことは多く、そのときの声から印象が生まれる。もし電話の声で驚くほど不快になれば、本人に会う気が起こらないのは想像できるだろう。

 

 

相手の注目を引いて、さらにそのまま注目を保っておきたいなら、声を抑えること。声を張り上げないことだ。静かな声の落ち着いた話しぶりによって、言葉に力強さ、威厳、強い意志をにじませることができる。これは直感に反するやりかたで、仕事でも日常生活でも十分に活用されていない。多くの人は大声や絶叫によって力が生まれると思っている。でもそうではない。スーパーマーケットで子どもに向かって「やめなさい」と大声を張り上げている親や、言うことを聞かない犬を怒鳴り散らしている飼い主をよく見かける。ところが、声はどんどん大きくなるのに、無愛想な子どもも犬もいっこうに悪さをやめない。反社会人格障害の男が、かつてこう言っていたのを思い出す――「おまえが俺に向かって怒鳴り始めるのが好きなんだ」。「どうして?」と、私は尋ねた。「だって、やつらがカッとなった証拠だもの」。相手に自分の言うことを聴いて欲しかったら、自分を尊重してほしかったら、声を抑えるようにしよう。

第3506冊目  FBI捜査官が教える第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター   (著), 西田 美緒子 (翻訳)

 

 

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

 

 

 

-声のもつ力

 

 

矛盾しているように思えるかもしれないが、声にもノンバーバルがある。ニュースキャスターの声は、なぜみな似ているのだろうか? それは深みがあってなめらかな声を真似ようとしているからだ。何度かいっっしょに仕事をしたことのあるキャスターのトム・ブロコウも、そういう声をしている。声に蜂蜜のような甘さがある。誰もがそうした声をもっているわけではなく、私にもないことは百も承知だが、それでも真似ようと試みる。私は緊張すると声が高くなりがちなので、それを克服しようと努力する。人は甲高い声を嫌い、高い声では尊敬の念を得られない。

 

 

二〇〇八年の大統領選挙戦のさなか、メディアにはヒラリー・クリントンに対する個人攻撃が数多く見られた。そのなかには、彼女の声は「うるさい」とい評論家の声もあった。女性がリーダーになるには、これまではるかな道のりを歩んできたわけだが――世論では――この先にもまだ長い道が続くことを思わせる意見だった。女性は中性的な声を心がける必要がある。声が「うるさい」という印象を与えたら、または高すぎる、哀れっぽい、暇をもてあました金持ちの女の子たちみたいだとみなされてしまったら、それをもとに判断されることになる。中性的な声を出す心がけは、男性にも当てはまるアドバイスだ。

 

 

調査によれば、私たちは誰の声を嫌いになると、その人を遠ざけるか、完全に無視する傾向があるという。不快な声は受け入れられず、悪い印象を与えることがある。もし私が、整形手術を受けるのと時間をかけて声に磨きをかけるのと、どちらがよいだろうかと相談を受けたら、お金を節約し、声を磨きなさいと忠告するだろう。声の出しかたを勉強して身につけた苦労話を、たくさんのニュースキャスターやテレビのパーソナリティーから聞いてきた。同じことを、女性の警察官や海兵隊員、また男女を問わず製薬会社の販売担当者も言っていた。彼らが自分の声に磨きをかけるのは、それによって違いが生まれるからだ。低くて深い声ほどいい。