第3995冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田 則夫 (著)

 

 

 

 

実現力

 

リーダーに今、求められるのは、問題解決や業務レベルの向上を目指して、行動を起こすことだけではない。問題解決や業務レベルの向上をやり遂げていくことだ。

 

リーダーは、行動を起こすことだけで終わらない。行動を起こし、所期の目標達成に向けて全力を尽くす。そして、着実に成果をあげていく、実現力が求めらている。

 

万が一、行動を起こしたが、やり遂げられなかった場合はどうするか。誠意をもって取り組んだんのであれば、失意のどん底に沈む必要はない。うまくいかなかった原因を特定したうえで、計画を練り直す。そのうえで再チャレンジすればよい。プロフェッショナルな職業人として、何かにチャレンジするときには、こうした不退転の姿勢が求められる。

 

納得感

 

あえて、断言する。今、組織やチームを率いるリーダーに求められるのは、部下に対する説得力ではない。説得はストレートな言い方をすると、力技だ。上司と部下という立場で、上司に力で説き伏せられれば、部下はひとたまりもない。心の中では、「違う」と思っても、「はい」と答えてその場を逃れようとする。上司の指示に従うのはポーズだけ。心はついていかない。

 

説得に頼ると、上司は就いているポストが高ければ高いほど、裸の王様状態になる。本当は誰もついてきていないのに、「人望がある」と勘違いする。部下・後輩は、指示に対して「はい」と答えているが、本当はそうではないという事実に、心底では何となく気づいているケースもある。そのために、不安感が強くなる。心穏やかではなくなる。心がうまくコントロールできなくなり、より強く部下に接するようになる。こうして、さらに人の心が離れるという悪循環を招くようになる。

 

信頼されるリーダーになるためには、力に頼らない関係づくりが必要だ。

 

そのためには、「どんな態度や方法で話しかければ納得してもらえるか」「どんな伝え方をすれば納得してもらえるか」を考えたうえで、部下・後輩に接することが必要になる。