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第3725冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる!
-相手を受け止め、想いを共有する
「よく声をかけている」「相手の話をよく聞いている」など、自分は積極的にスタッフとコミュニケーションをとっているつもりでも、スタッフは「リーダーはいつも自分の話をしている」と思っていることがあります。
前述のように、コミュニケーションの基本は「相手を思いやる心」です。リーダーがスタッフの話を聞くときには、まずスタッフの気持ちを受け止め、その想いを共有することが大切です。これを「共感的に関わる」といいます。
共感とは相手と同じような考えや気持ちをもつことです。スタッフが個人的なつらい経験を打ち明けてくれたとき、利用者からとても感謝されたと報告してくれたとき、リーダーはその言葉をしっかりと受け止め、同じ目線で「それは大変だったね」「それは素晴らしい。よかった」と心からの言葉を返しましょう。この場合、必ずしも相手と同じ経験や価値観をもっている必要はありません。スタッフの話をよく聞き、想像力を働かせてその気持ちを共有できればよいのです。話をしたスタッフは「私の気持ちをわかってもらえた」と感じ、リーダーに対する信頼感が深まります。
スタッフが苦しい状況にあったり、悲しみや悩みを抱えたりしているときに、「まあ、がんばって」「かわいそうに」「そのうちよいこともあるよ」などと言って、慰めるのがよいと思っていませんか。こうした対応は相手の状況を頭では理解していも、同じ気持ちにはなっていません。やや上から目線の同情なのです。同情が悪いとはいいませんが、言われたスタッフは「リーダーにとっては他人事なんだな」と感じてしまうでしょう。
スタッフが自分の話を聞いてくれない、スタッフが何も相談してくれない、スタッフが何を考えているかわからないというリーダーは、スタッフと共感的に関わっていない場合が多いのです。スタッフの話に対して自分の意見や価値観を押しつけていないか、スタッフの気持ちになって話を聞いていないか、少し自分を振り返ってみるとよいでしょう。