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第3934冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる!
-「Must問題」の解決ステップを知ろう
介護リーダーには、自分のチームが担当する業務を滞りなく確実に進め、トラブルなどに的確に対処していく責任があります。その責任を果たすためには、「Must問題」についての解決ステップを理解し、実践していくことが必要です。Must問題には、SDCAサイクルによって対応していきます。まず業務標準や計画を周知徹底し(S)、業務標準や計画に従って仕事を実行し(D)、仕事が業務標準や計画通りに行われているかを確認(C)。これがMust問題の解決における前提となります。
確認の結果、業務標準や計画と実際の業務との間にズレが生じていれば、そのズレが業務の滞りトラブルにつながっていきます。そこで、SDCAサイクルのActionによって、「現状とのズレ(問題)」を解決していくわけです。その場合、下表のようなステップをきちんと踏むことが大切です。
問題解決ステップ
①現状からの問題を抽出する
②その問題の原因を究明する
③解決策を立案する
④解決策を選択する
⑤解決策を実行する
⑥成果を確認する
このステップのうち①と②が最重要です。
さらに、解決策は必ず複数のものを立案する必要があります。問題解決において、正解はたった1つではないからです。状況の変化に応じてベターな解決策も変わってきます。複数の解決策を用意し、現状ではどの解決策が有効なのかを検討し、順次試していきましょう。また、解決策は応急処置となるものだけでなく、恒久的な再発防止策も立案して実行することが大切です。
業務標準には「Want問題」が重要
ここまでは「Must問題」の解決ステップを解説してきましたが、Must問題の経穴は日常業務の現状維持に力点を置いて取り組みといえるものです。しかし、介護リーダーに求められることは、単なる現状維持ではありません。業務の課題を見つけて、業務改善を進めていくことが求められます。つまりWant問題への対応も重要ということです。
ここでいう「課題」とは、日常の定型業務の中に起こる目に見える問題とは異なり、将来的な状況変化に対応するうえで解決が求められる「潜在的な問題」です。リーダーは今起きている問題を解決するだけでなく、これから発生する可能性がある潜在的な問題=課題を探し出す、あるいはつくり出すとう視点をもつことが大切です。そこで、課題を発見し、解決策を立案し、それを実行するには、下図のような3つの能力が必要になってきます。
「Want問題」の解決に必要な3つの力
①課題を感じる力
- 革新の必要性を意識する
- 将来のあるべき姿を描く
- 創造的な発想力をもつ
②解決策を構造する力
- 全体の構造を把握する
- 重点指向で取り組む
- 目標や計画を立案し、組織化する
③計画を実現する力
- 計画を正確・適切に伝える
- 関係者を説得し、理解を得る
- 困難があっても継続する