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第3935冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる!
コミュニケーションの基本は、「相手を思いやる心」です。相手を尊重するところから、円滑なコミュニケーションが始まります。そして、相手への思いやり、尊重する気持ちから行動を起こすときの第一歩が、あいさつといえます。
スタッフの中に、利用者には笑顔であいさつするのに、同じ職場のスタッフにはあいさつをきちんとしない人はいませんか? これでは職場がギスギスしてしまいます。リーダーはまず自分からチームのスタッフにきちんとあいさつし、それをスタッフにも習慣づけましょう。チーム全体があいさつ上手になるとチームワークもスムーズになります。
朝の出勤時にはまずリーダーが一人ひとりのスタッフに「おはようございます」と声をかけましょう。このとき必ず笑顔で、そして相手の目を見てあいさつします。パソコンの画面や机の上の書類を見たままのリーダーに「おはよう」と言われても、スタッフには何も伝わりません。笑顔のあいさつはお金もかけずに相手との関係をよくする手助けになるということを心に留めておきましょう。
また、あいさつにプラスアルファのひと言を添えることも大切です。たとえば次のようなものです。
機能は遅くまで残業して報告書をまとめてくれてありがとう。助けりました。
元気がないようだけど、体調は大丈夫?
お子さんの運動会、どうだった?
当たり前のように思われるかもしれませんが、このようなひと言えスタッフは「リーダーは自分のことをちゃんと気にかけてくれている」と感じます。スタッフの日常の仕事ぶりを観察し、ちょっとした会話や態度にも気を配っているリーダーだからこそ、こうしたひと言が言えるのです。
リーダーからのあいさつや心遣いはスタッフによい刺激を与え、職場の雰囲気に大きく影響します。スタッフから信頼されるリーダーになるためにも、普段からスタッフの様子をよく観察し、あいさつにも反映していくことが大切です。
職場の仲間にあいさつするのが苦手なスタッフは、内向的な性格の場合もありますが、育った環境や以前の職場であいさつする習慣がなかったという場合もあります。そのスタッフだけにあいさつを指導するようりも、リーダーが提案し、チームの全員にあいさつを習慣づけるとよいでしょう。
あいさつを習慣づけるための工夫
- 朝、全員で「おはようございます」と声に出す
- 利用者を迎える前に鏡の前で笑顔をつくってみる
- 両手の人差し指で口角を上げてみる
- スタッフ同士であるいは鏡に向かって「チーズ」と言う
- 全身が映る鏡を用意して、あいさつと同時に服装や姿勢もチェックする
- スタッフ同士で、「おはようございます」と後に続くひと言の練習をする(花や季節に関するひと言、相手の健康や家族についてのひと言など)