第3761冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる! 近藤崇之 (監修)

 

 

介護リーダーの仕事と役割がわかる!

 

-人間関係を円滑にする雑談

 

 

最近、雑談が仕事に役立つコミュニケーションとして見直されています。「今日も暑くなりそうね」「本当にバテそう」「洗濯物が増えて大変」などとスタッフが休憩時間に雑談をしているとき、リーダーであるあなたは自然に会話に加わりますか? それとも「無駄だなぁ」と感じますか?

 

 

最初に次の簡単な雑談チェックを試してみましょう。チェックの多いリーダーは仕事を効率的にこなしているようですが、コミュニケーション力にはやや乏しいようです。

 

 

雑談には、その場の空気をなごやかにして相手との距離を縮めるというメリットがあります。スタッフ同士がなごやかな気持ちを共有できれば、互いに仕事をフォローし合ったり、仕事のアイデアを出しやすくなったりします。

 

 

「昨日は子どもと遊園地に行ったの」「うちの椿がだいぶ咲いてきた」など、雑談にはその人の趣味や家族のこと、行動パターンがうかがえます。リーダーはさりげなく子どもの趣味などについて質問するとよいでしょう。

 

 

雑談でスタッフの意外な一面を知ることができれば、スタッフとの朝のあいさつにもうひと言添えるヒントが得られます。また、たとえば利用者の食事介助に不慣れなスタッフに「お子さんに小さいときはどんなペースで食べさせていたの?」などと質問し

そこから食事介助では利用者の食べ方をよく観察する、などの質問を結びつけていくこともできるでしょう。雑談をきっかけにしてスタッフを理解し、信頼関係を深め、そして、より深いレベルの対話ができる関係をつくっていきます。

 

 

周囲のスタッフも心配する雑談が苦手なリーダー

リーダーの中村さんは自分のことを、理路整然と物事を考え効率よく仕事をするタイプであると自己分析しています。周囲のスタッフからは、頼りがいはあるものの、かなり理屈っぽいタイプで、プライドが高いと思われています。いつもみけんにしわを寄せて何かを考えているような表情で、利用者に向ける笑顔もぎこちなく、利用者本位を実践しているわりには、利用者の評判もあまりパっとしません。

 

雑談好きの年配のパートスタッフのUさんは、そんな中村リーダーが心配で、頻繁に声をかけていますが、中村さんは雑談に加わろうとしませんん。