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第3846冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる!
-リーダーがもつべき問題解決の2つの視点
リーダーが日々の仕事を管理して、環境の変化に対応していくには、2つの視点での問題解決が必要です。1つは「リーダー自身が行う問題解決」であり、もう1つは「スタッフに考えさせる問題解決」です。たとえ同じ問題であっても、立場によって問題のとらえ方も解決行動も異なってきます。
まず、「リーダー自身が行う問題解決」においてリーダーが考えるべき問題には、次のようなものがあります。
①その仕事に対するスタッフの配置は正しいか?(適材適所か?)
②無駄な仕事でスタッフの時間やエネルギーを浪費させてはいないか?
③職場の風土も含めて組織の仕組みは整っているか?
④今後起きるかもしれない問題=課題は何か?(たとえば、震災時の対応や感染症予防などのリスクマネジメント)
もう1つの「スタッフにさせる問題解決」とは、スタッフが自律的に問題解決をできるようにすることです。そのためには、問題解決のステップにスタッフを参画させ、当事者意識を醸成することが大切です。どうしたらいいかスタッフが自分で判断し、自分で行動できるように指導しましょう。
また、問題の原因究明ができるように、リーダーがスタッフに的確な質問を行い、「考える習慣」を身につけさせることも必要です。リーダーの関わり方次第で、スタッフの問題解決能力は格段に高まります。
「なんとなくうまくいった」というのでは、本当の問題解決とはいえません。問題解決は結果だけでなく、どのようにしてその結果を出したのか、プロセスも重要です。プロセスのない場当たり的な解決策です。プロセスにのっとって問題解決を進めることで、誰がやっても、いつやっても同じ結果が出るという再現性のある解決策を導き出すことができます。そのために問題解決のステップを理解し、的確に実践できるようにしなければなりません。
問題解決のステップ
①現状から問題を抽出する
問題(あるべき姿と実際の姿とのズレ)を感じる
私見や推測ではなく、事実に基づき問題を抽出する
当事者意識をもつ
②その問題の原因を究明する
なぜなぜなぜを繰り返し、真の原因を突き止める
安易に人に原因を押しつけず、原因が生まれる仕組みを見る
③解決策を立案する
応急処置(今すぐやるべきこと)と処置(再発防止策)を検討する
④解決策を選択する
決定に責任がもてる者が選択を行う
評価基準を明確にする
⑤解決策を実行する
解決策を実行し、必要に応じて修正する
⑥成果を確認する
結果とそのプロセスを確認する
必要に応じて標準化(手順化、マニュアル化)する