第3902冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田 則夫 (著)

 

 

 

 

-気づき力

 

この場合の気づきとは、次の二点に対するものを指す。

 

一つは、利用者および家族に関する気づきである。どのような思い、ニーズがあるか気づく。どのような困り事、生きづらさに直面しているのか気づく。どのような持ち味、強みがあるか気づく。何を、どのようなタイミング、手順や方法で支援してほしいか気づく。そして、チームリーダーの立場であれば、この点について自らがよき手本を見せることが求められる。

 

もう一つは、組織全体・部門・部署に存在する課題や問題、改善すべき点にかんする 気づきだ。福祉の職場の恐いところは、他のサービスと比べると「お客様」からのクレームが出にくいという点。そのため、危機意識が薄れ、気づく目、気づく感性が鈍ってしまうことがある。

 

職場がこの罠に陥れば、業務レベル低下は止まらなくなる。食い止めるためには、リーダーが率先してよき補填を見せるよう努めなければならない。部下として働く職員に対して、課題や問題の解決に向けて邁進する姿を見せることが必要となる。

 

率先垂範力

 

利用者や家族のニーズに気づいたら、充足に向けて速やかに行動を起こす。十分な視線ができていない事実に気づいたら、自ら改善に向けて速やかに行動を起こす。率先垂範し、まずは自分が行動を起こす。そんなよき手本を部下・後輩に示すことがリーダー職員には求められる。

 

同様に、職場内の課題や問題についても、速やかに、改善策の立案と実施に取り組むようにする。問題や課題によっては、直属の部下に指示を出し、改善計画の立案、実施を指示することもあるだろう。

 

どのようなケースであろうとも、最初の一歩はリーダーが踏み出す。常に率先垂範する姿勢を示すことが必要になる。