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第3933冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる!
たとえば、スタッフの休憩時間が守られていない、仕事の手順が守られていない、残業が増えているなど、介護現場にはさまざまな問題があるはずです。介護リーダーは、日々そうした問題に向き合い、チームの中心となって問題解決に取り組まなければなりません。
問題解決に取り組むためには、最初に「問題とは何か」を正しく理解することが必要です。問題は「あるべき姿と現状のギャップ(差異)」と定義されています。業務標準や職場の目標、ルール、手順といったものが「あるべき姿」です。そうしたものと現実の状況とのズレのことを、「問題」というわけです。
そこで、問題解決に取り組む場合、「あるべき姿」を常に理解しておくことが大切です。仕事の手順や職場の目標などと現実の業務が合致した形で進んでいるか、どここあにズレが生じいないかを、しっかり確認していく作業が問題解決のための前提となります。
「問題」と一口にいっても、職場の問題には実に2つの類型があります。「Must問題」と「Want問題」です。
Must問題とは、日常の定型業務やトラブルなどを対象とするもので、必ず解決しなければならない問題のことです。自分のチームが担当する業務を確実に遂行するためには、まずこのMust問題にしっかり対応していかなければなりません。
一夫、Want問題は、将来のあるべき姿を考えたうえで解決が期待される問題です。そのため、Want問題は自ら探し出してチャレンジしていく問題であり、つまりは業務改善に向けての課題といえるものです。
それぞれの問題の違いを示すと、下図のようになります。問題解決にあたっては、これらの問題の類型の違いを認識し、それぞれの類型に応じた取り組みが必要になってきます。
当事者意識がないと問題解決はできない
問題解決を成功させるために最も必要なことは、チームの全員に当事者意識をもたせることです。「職場は問題の集合体」などといわれるほど、日々の業務の中には問題がいくらでも存在しているはずです。しかし、ただ与えられた仕事をすればいいという姿勢では、問題の存在に気づかず、もし気づいたとしても解決のアクションは生まれませんし、日々の仕事が単なる作業で終わってしまいます。
問題解決活動においても、各過程でスタッフの参画を促し、当事者意識をもってもらうようにしましょう。