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第3685冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか
-リスク・マネジメント力
リスクマネジメントは、利用者の命と健康を守るために行われるものであり、事故や過誤の発生を防ぐために行われる一連の取り組みを指す。
事故・過誤がない安心できる環境を作りあげるには、職場内に存在するあらゆるリスクの点検が必要となる。その際に、投げかけるべき問いは次の通りだ。
設備、部品、建築構造などに事故や健康被害などにつながるリスクはないか。
感染症対策、健康管理面で不備な点、修正が必要な点はないか。
防災対策のなかに、不備な点、修正が必要な点はないか。
組織体制のなかに、不備な点、修正が必要な点はないか。
業務手順や方法などのなかに、事故・過誤を生み出しかねないリスクはないか。
職員間の連携方法、報告連絡方法のなかに、リスクはないか。
職員の基本的な介護技術、支援技術のなかに、リスクはないか。
職員のものの考え方、価値観、利用者観のなかに、誤った支援方法、低レベルの接遇につながるリスクはないか。
職員育成体制のなかに、不適切例、事故、過誤などにつながるリスクはないか。
業務分担や職員配置の面でリスクはないか。
過去の事故事例、ヒヤリハット報告から教訓を学ぶという姿勢に不十分なところはないか。
法令違反と指摘されかねない実態が職場のなかに存在しないか。
組織のコンプライアンス(法令遵守)体制は、十分に整備されているか。
管理業務のなかに、不十分なところはないか。
法人の経営や運営を監視するガバナンス体制は整備されているか。
これらの問いを投げかけた結果、不十分なところが明らかになった場合は、速やかに改善策を講じ、実行に移していく。