第3672冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田則夫(著)

 

 

 

 

 

-「できている」と思い込み部下

 

 

実は十分に業務がこなせていないのに、「できている」と思い込んでいる職員と向き合う際には、その職員は何ができていて、何ができていないのか、整理し見極める作業から始める必要がある。あいまいなとたえ方では、業務のレベルアップにつながるような的を射たアドバイスができないからだ、指導する立場にあるリーダー職員は、まず、この重要なポイントをしっかりと押さえておかねばならない。

 

 

リストアップ後は、優先順位を決めて、「これは何をおいてもできるようになってほしい」業務に関して、どのレベルまでを求めるのか、ゴールを示す作業に取りかかる。

 

 

これは極めて重要な取り組みだ。なぜなら「できている」と思い込んでしまう職員の多くは、ゴールの設定を間違っているケースが多いからだ。何が、どのように、どこまでできれば、「できている」と胸を張れるのかわかっていないことが少なくないからである。

 

 

もちろん、事前に把握するといっても限界はある。その場合も、可能な限り、情報収集をし、あらかじめ、どの部分ができていないのか目安をつけるよう努力する。

 

 

そのうで、本人と向き合い、話し合いをする。本人は何ができていて、何ができていないと思っているのか、本人の見解に耳を傾ける。「できていない」と思われる業務を、本人が「できている」という認識を示している場合は、状況を詳しく確認する。具体的にどのような手順や方法で、業務を行っているのか説明してもらう。介護業務などの場合は、実際に演じてもらう。リーダー職員を利用者に見たてて、いつもの手順や方法を見せてもらう。不十分な点にリーダーが気づいた場合は次の手順で修正する。