第3670冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田則夫(著)

 

 

 

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

 

 

 

-業務レベルが高い職場と低い職場の違い

 

 

高品質なサービスを提供している福祉事務所には、管理監督者あるいは指導的立場にあるリーダー職員の目が現場の隅々まで行き届いているという特徴がある。現場の最前線で、利用者を直接支援する職員が、「いつでも必要なときに支えてもらえる」「安心して働けるよういつも配置してもらっている」といった思いを実感しながら働いているという特徴がある。

 

 

業務レベルが低迷状態にある福祉事務所は対照的な特徴を示す。管理監督者や指導的立場にある職員の目が現場に行き届いていない。何が今、起こっているのか、どのようなことがうまくいっていないのか、提供されるサービスに関して、利用者や家族はどの部分について高い評価を与えているのか、どの点について不満足であるとの評価をしているか、把握していない。利用者本位サービスや権利擁護という観点から、サービスの実態をみたとき、どの点が高く評価できるか、どの点が不十分なレベルにあるか、把握できていない。

 

 

リーダー職員の目が現場に届いていないので、利用者に最も身近なところでサポートに携わる職員の気持ちに緩みが生じてくる。「いつも自分たちは見られている」といった緊張感に欠けるため、ただ何となくいつもの業務を繰り返すという姿勢に陥りやすくなる。問題意識が希薄となり、冷静に自分たちが行っている業務を見つめ直すという姿勢を示さなくなる。修正すべき点がたくさんあるのに、「まぁ、いいか」とスルーしていしまい、問題視しなくなる。