第3657冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田則夫(著)

 

 

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

 

 

 

-安心感の醸成が職員成長と業務レベル向上の原動力となる

 

 

こうした取り組みに着手するのは真の意味でもリーダーになるためである。ただし、目的はそれだけではない。部下・後輩として働く職員が安心して働けるチーム環境(組織環境)を築きあげるためである。「進むべき方向がよくわからない」「安心して相談できる人がいない」「ついていきたいと思う人がいにあ」「相互に信頼しあえる人間関係ができていない」という職場環境では、人は安心して働くことができない。不安で心が覆い尽くされ、思考力や判断力が十分に機能しなくなる。いつ、何を、どんな手順や段取りで、どのような形で行っていくのか、考えを巡らすことが困難になる。もてる能力を存分に発揮せず、自己嫌悪に陥ったり、自己喪失状態に陥ったりする。不安感がチーム内に蔓延し、多くの職員が十分に力を発揮できない環境になれば、事務所全体がレベル低下の状況に陥っていく。

 

 

〝なりたいリーダー〟となるための取り組み、そして、部下・後輩が願うリーダーとなるための取り組みに、今、リーダーシップを発揮する立場にあるすべての人が着実にとりかかっていかねばならない理由はまさにここにある。誰もが安心して自己の能力を発揮する環境を作りあげるために、加及的速やかに、〝なりたいリーダー〟となるための行動を起こすことが求められているのである。なぜなら、自ら責任をもつチーム・部署・組織のなかに、心の底から実感できる安心感をもたらすことが、リーダーが果たすべき最も重要な使命の一つだと断言できるからだ。