第3699冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田則夫(著)

 

 

 

 

 

-他者からの耳が痛い指摘、批判の声、注意に対して、冷静かつ謙虚に向き合える人

 

 

ともに働く仲間からの意見や指摘は、よき職業人を目指す人にとっては、大きな宝物となる。自分が見落としていた部分を気づかせてくれる機会を提供してくれるからだ。

 

 

もちろん、他者からの指摘には、〝耳が痛い〟ものも含まれる。例えば、利用者への直接介護に携わる自分自身の言動が、「利用者の尊厳を大切にしていない」「利用者のプライドを傷つける接し方となっている」といった指摘がなされることがある。

 

 

または、意図的ではないのだが、無意識のうちに苦手意識を感じる業務・利用者から逃げていたという点を、他者からストレートに指摘されるケースもある。

 

 

たとえつらくとも、福祉の職場でプロとして働く人は、他者からの〝耳の痛い〟指摘から逃げてはならない。その指摘に対して冷静かつ謙虚に向き合う姿勢を身につけなければならない。他者からの指摘は的を射ているケースが多い。権利侵害へと発展しかねない行為を、未然に指摘してくれる貴重なアドバイスとなるからだ。

 

 

では、どうすれば、〝耳の痛い〟指摘に冷静かつ謙虚に向き合える職員が育成できるのだろうか。最も有効な方法は、リーダーがよき手本を見せることだ。日常の業務場面で、人の意見に真摯かつ誠意ある態度で耳を傾ける姿勢を示す。的を射ている指摘の場合は、すぐさま改善を図る。そんな姿勢を率先垂範して示すことが、部下・後輩にとっては一番のよきモデルになる。〝耳が痛い〟指摘に冷静に向き合う職員を育てる基盤になる。