第3464冊目 できる人の仕事の基本ワザ大全―――時間管理から人間関係、発想術まで、今日からすぐ使える! (知的生きかた文庫) 幸運社 (編集)

 

 

 

 

 

-本番での緊張を解消する方法

 

 

ズバ抜けた身体的能力を持っているのに、なぜか本番に弱く、思うような結果を出せないスポーツ選手がいます。同様にビジネスの世界にも、ふだんは優秀なのに重要なプレゼンや会議の人にかぎって頭痛や吐き気、下痢などを催して本領を発揮できない人がいます。こんなことが起きるのは、緊張や不安への対応方法を間違っているためです。

 

 

 重要なプレゼンや会議が迫ると、緊張や不安を感じるのは誰にでも起きる当然の反応です。適度な緊張は脳を活性化させて大舞台でプラスに働きますが、あまり緊張や不安が強くなりすぎると、心身に悪影響が出てしまいます。

 

 

こんなときにやりがちなのが、「吐き気は気のせいだ」「お腹なんて痛くない!」「落ち着け」などと、心身に起きている症状を強く否定する対応です。こうした否定のことを、心理学用語で「回避的コントロール」と呼びます。

 

 

本人は「否定すれば落ち着ける」と思っているでしょうが、イベント直前になって回避的コントロールをおこなうと、かえって「緊張している」ことが意識されてストレスは増える一方です。その結果、プレゼンの途中で頭が真っ白になったり、急に腹痛を覚えて途中で退席することになってしまうのです。

 

 

こうした過度の緊張や不安を解消する方法があります。好きな腕時計やお気に入りのネクタイ、アクセサリーなどを身につけてプレゼンか会議に臨むのです。そして「緊張してきた」と感じたら、それらを握りしめます。すると、緊張が瞬く間にとけて、いままでのような失敗を繰り返さずにすむのです。

 

 

これは、「自己親密行動」という心理を応用した緊張対処法です。人は緊張すると無意識のうちに自分の髪の毛に触れたり、腕組みをしたりします。これが自己親密行動ですが、人前でこれらの行動をとるとあまりよい印象を与えません。そこで、好きなものに触れる・握りしめることで同じ効果を得るというわけです。

 

 

思い入れの強いものがなかったり、あったとしてもプレゼンの場にふさわしくない場合は、輪ゴムを手首に巻いておきましょう。緊張してきたら、その輪ゴムをつまんでパチンとはじきます。すると、一瞬で不安を取り除くことができます。