第3445冊目 できる人の仕事の基本ワザ大全―――時間管理から人間関係、発想術まで、今日からすぐ使える! (知的生きかた文庫) 幸運社 (編集)

 

 

 

 

-身ぶりを加えて、インパクトを残す

 

 

「この件は、引き続き検討することにしよう」と、提案した企画の採否が決定されないままで会議が終わることがあります。プレゼンで、「結局は次回に持ち越し」となるケースも少なくありません。そうなると、次の機会までに、より説得力のある企画書や提案書を出さざるを得なくなります。そこで採用されればまだしも、結局、不採用だったり、再度、保留されたりしたらまさに「時間と労力のムダ」です。

 

 

このような採用されない、決まらない場合に、企画書・提案書の内容そのものではなく、提案者の説得方法に原因があるケースがあります。同じ内容であっても、相手を説得するときの演出次第で評価が大きく変わるからです。

 

 

多くの場合、提案書はプレゼン相手や会議の出席者よりも役職や立場が格下で、それだけでも説得や説明を受け入れてもらいにくいわけです。そこで利用したのが「顕著性効果」です。顔がよく見える(目立つ)人とあまり見えない(目立たない)人がいた場合では、顔がよく見える(目立つ)人のほうを高く評価する傾向があるという心理を利用するのです。マジックで派手な(目立つ)手ぶりに惑わされるのも、この心理によるものです。

 

 

ただし、「目立つように」とっても、派手で突飛な服装をするわけではありません。たとえば、故スティーブ・ジョブズは、重要な発表会に黒いタートルネックであらわれましたが、それはアップルのCEOという立派な肩書があったからこそ成り立つスタイルです。若手社員では、かえって評価を落とすことになります。

 

 

「目立つ」方法としてお薦めなのは、「身ぶり手ぶり」です。

 

 

ただ原稿を棒読みするのではなく、強調したいと思った部分で手を上に突きあげるポーズをとったり、手を前に出してゆらしてみたりしましょう。出席者たちは強いインパクトや、あなたのやる気を感じ取るはずです。ただし突き出すのは手だけ。もしも人差し指を誰かに向けたりすると「ワンアップ・ポジションの形成」といって、指を向けた人にとても悪い印象を与えます。

 

 

プレゼンや会議に挑む際には、できるだけ影響力のある人の近くに座るという裏ワザもあります。要するに「虎の威を借る狐」ですが、聞く人は、あなたの発言に影響力があるかのように受け取りがちになります。