第3442冊目 できる人の仕事の基本ワザ大全―――時間管理から人間関係、発想術まで、今日からすぐ使える! (知的生きかた文庫) 幸運社 (編集)

 

 

 

 

-重要なことは全体の2割しかない

 

 

「タスク管理の強い味方」とでも呼びたい法則があります。

 

 

イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した「パレートの法則」で、「20%というわずかな割合から生じるものが、80%という大部分の印象や方向性を決定づける」という理論です。

 

 

具体例をあげれば、「ある企業の売上げの80%は、その企業が販売している商品の20%を生み出している」「会議でおこなわれる発言や提案の80%は、参加者の20%によるもの」といったところです。

 

 

 この考え方は、「80対20の法則」とも呼ばれていて、時間配分や経営資源を活用する際の理想的な戦略にも応用でき、ビジネスの世界で広く取り入れられています。

 

 

たとえば、毎日、50件以上もの新製品やアイデア商品の売り込みを受けるビジネスパーソンがいるとしましょう。もちろん、すべての提案に対して、公平に応じるのが理想です。しかし、ひとりでそれだけの仕事量をこなそうとすれば、どれほど残業しても追いつきません。無茶な残業が好ましく思われない時代でもあり、100パーセントの対応は無理があります。

 

 

そこで登場するのが「パレートの法則」です。

 

 

提案されたものから、よいと思う20%を選べば、80%の業績は確保できるというわけです。

 

 

先ほどの例でいれば、当然、50件すべての提案には目を通しますが、すべてを熟読玩味するのではなく、よいと思った20%、つまり10件程度の提案に絞り込んだうえで、そのひとつひとつを検討します。

 

 

80%を切り捨てることにためらいを感じる人がいるかもしれませんが、限られた時間の中で対処するには、この方法がベストではないにしても、ベター以上のものといえるでしょう。

 

 

ただし、80%も「即座に捨てる」わけではありません。選んだ20%を検討したところ、これぞとおいうものが見つからなかったときは「敗者復活」の可能性もありますので、ストックしておきます。とはいっても「予選落ちから金メダル」は、なかなか難しいのですが……。