第3463冊目 できる人の仕事の基本ワザ大全―――時間管理から人間関係、発想術まで、今日からすぐ使える! (知的生きかた文庫) 幸運社 (編集)

 

 

 

 

-企画を「1行」にまとめる

 

 

多くの出版社が、新刊の本を出すときに、編集部だけでなく営業部はもちろん、広告・宣伝部など社内の知識を総動員したうえで、最終的に社長決裁を仰ぐのが「タイトル」と「カバー」の2つだそうです。どちらも「本の顔」といえます。

 

 

帯のキャッチコピー、ときには帯に掲載される著名人の推薦文なども重要なポイントですが、読者にとって書店に並べられた本の第一印象はタイトルとカーバで決まるということでしょう。

 

 

タイトルはひとりでも多くの読者がピンとくるものでなければ、本を買ってもらうどころか、手に取ってさえもらえません。カバーは、書店の店頭でたくさん並んでいる本の中から一瞬で読者の目を引くことが狙いのひとつです。どちらも「読者の心にアピールする」ことが求められる、本の大事な要素といえるでしょう。

 

 

企画書も同じです。たとえば商品企画の場合は、購入者となるターゲットから始まり、既存の自社製品や他社製品との比較、社会の動向、製造原価、流通ルート、販売方法、売上げの見込み、広告・宣伝の展開方法など、さまざまな要素を書くことになるでしょう。検討どころか、すべての企画書にまともに目を通してもらえないこともあるのです。

 

 

企画書を提出した相手から説明を求められたときに、その企画の核がしっかり固まっていれば、文字にして1行程度の分量で説明できるはずです。逆にいえば、核が定まっておらず、詰めの甘い企画だとしたらしどろもどろになってしまい、「もう一度出し直して」と突き返されるのが関の山です。

 

 

大ヒットした映画「ジョーズ」の企画書は「美女がサメに襲われる」という1行だけだったそうです。これほどわかりやすい企画書は、確かにありません。

 

 

もちろん、実際に企画書は1行だけでいいという話ではなく、定められた書式があればそれに則ることになりますし、形式が自由な場合は、各自の工夫でその企画がいかに魅力的かを伝えることが必要です。

 

 

しかし、どれほど表現のレベルで企画書を着飾ったところで、企画の核が曖昧なままでは、すぐに化けの皮がはがれる可能性がある、ということです。