第3451冊目 できる人の仕事の基本ワザ大全―――時間管理から人間関係、発想術まで、今日からすぐ使える! (知的生きかた文庫) 幸運社 (編集)

 

 

 

 

 

-頭の中で「小見出し」をつけながら話す

 

 

話し上手といわれる人の多くは、ひとつの話題で決して長話をしません。たとえば90分の講演会の場合、ひとつの短い話をしたら、それに関連する話を短くまとめ、さらにその話を発展させたトピックを語るといった人が多いようです。

 

 

聞き手は、ひとつひとつの話が短いので、頭にすっきりと入ります。また、全体を通した話の流れもスムーズですから、聞きながら「エッ、それ何のこと?」ととまどうこともありません。その結果、聴衆は「ああ、面白かった。あっという間の90分だった」と満足します。

 

 

ところが話の下手な人は、話を始めても、何か思い出したことがあるとそっちに傾き、あわてて話を元に戻そうとして、結局同じことの繰り返しになったりします。これでは聞き手が混乱するばかりです。

 

 

仕事の「報・連・相」も同じです。事実を報告しているつもりが、いつの間にか自分の予想になってしまったり、連絡しようとした内容の事実確認を欠いていたり、せっかく上司に時間を作ってもらって相談を持ちかけたのに、世間話で終わってしまったり……そうなると、相手から「キミは何を言いたいの?」とお叱りを受けることにもなりかねません。

 

 

そんなちぐはぐを防ぐのが「小見出しをつける」という方法です。誰かに話をするにしても、報告書類をまとめるにしても、一件にひとつの小見出しをつけるのです。目安としては、「1000文字に1ヵ所」で十分でしょう。原稿用紙にすれば2枚半に1ヵ所、ワード文書であれば、文字数・行数を設定したレイアウトから逆算します。

 

 

話をする場合は、文字数を数えながら話すわけにはいきませんが、ビジネスシーンでの会話なら2分くらいになります。逆にいえば「ひとつの話は、2分でまとめなさい」ということです。ひとつの話をするのに「2分では短すぎて無理」というときは、その話をいくつかに分けます。3つに分けたのであれば「2分×3」に、4つに分けたのであれば、「2分×4」の話に再構成するのです。