第3443冊目 できる人の仕事の基本ワザ大全―――時間管理から人間関係、発想術まで、今日からすぐ使える! (知的生きかた文庫) 幸運社 (編集)

 

 

 

 

-管理職の仕事配分も「80対20の法則」で

 

 

多くの企業で「人材育成は管理職の重要な仕事のひとつ」といわれています。ただ、管理職の人たちの多くは、頭では理解しているものの、なかなか実現できないのが現実でしょう。

 

 

ビジネスの現場では、自分の実務以外にも、来客への対応、社内の会議、部下を連れて社外での打ち合わせなどで「いくら時間があっても足りない」かもしれません。管理職のタスク管理は、一般社員よりも一掃困難といえそうです。

 

 

しかし、多忙な管理職でも「パレートの法則」を参考にすれば、タスク管理は十分できます。

 

 

まず、実務を含めた本来の仕事に費やす時間を80%までにします。そして、20%の時間を、部下に仕事を教えたり、部下から提案された企画書のチェックとアドバイスといった、「人材育成のための時間」に割り振るのです。

 

 

たとえ、どんなに優秀な部下が相手だろうと、仕事を教えるのは手間がかかります。「自分でやったほうが、手っ取り早い」と思うのも当然でしょう。しかし、すべてをひとりで抱え込んでいると、遅かれ早かれ無理が生じることは明らかです。

 

 

なんらかのアクシデントが起きたときに「誰もわからない」という事態は組織にとっては大きなダメージですし、実務をこなすための時間が必要で、大切な商談に臨めないというの、会社にとっては損失でしょう。

 

 

そのときになって、「部下を育てておけばよかった」と思ったところで手遅れなのです。そうならないためにこそ、部下を育てるわけです。

 

 

「失敗する可能性が高い」「自分でやれば間違いない」と思っても、「実務の20%は部下や後輩に任せる」という英断を下す勇気が管理職には必要です。

 

 

仕事を任せる場合は、ある程度の権限も同時に与えることがポイントです。なぜなら、部下はただ「仕事を与えられた」というだけでなく、「上司(管理職)に認められた」と考えるからです。その結果、実力以上の力を発揮してくれるケースもあるでしょう。心理学的にいえば、「社会的承認欲求が満たされた状態」です。ただし、最終的な決定権と責任は管理職が持つことはいうまでもありません。