第1121冊目  スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則 [単行本(ソフトカバー)]カーマイン・ガロ (著), 外村仁 解説 (その他), 井口耕二 (翻訳)

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン


手ぶり


ジョブスはさまざまなしぐさでしゃべりを補強する。昔は、体の両脇にたらすべきだとされていたし、今もそう教える人がいる。なぜそう言われるようになったのかよくわからないのだが、ともかく、聴衆をがっちりとつかみたければ絶対にやってはならないことである。


両手を体の両脇にたらすと緊張しているように見えたり肩苦しく感じたりする。はっきり言えば、どう見てもちょっと変である。ジョブスのようなすばらしいコミュニケーターはじっとしておらず、身ぶり手ぶりをよく使う。これには理由があるとの研究もある。


シカゴ大学のデイビッド・マクニール博士は1980年から手の使い方を研究し、しぐさと言葉に密接な関係があることを発見した。身ぶり手ぶりを使ったほうが考えがまとまり、プレゼンテーションでいいしゃべりができる。逆に体を動かさずにいようとすると、意外なほど注意力を取られてしまう。深く考える訓練を積み、自信のある人は、その明快な思考が反映された手の動きをする。手の動きを見ていれば、思考プロセスがわかるわけだ。


大事なポイントは手の動きで強調する。ただし、ロボットのような動きになったりやりすぎになったりしないように注意する。ジョブズの動きやクセをマネしないこと。まがい物ではなく、自分らしくすること。