第3455冊目 できる人の仕事の基本ワザ大全―――時間管理から人間関係、発想術まで、今日からすぐ使える! (知的生きかた文庫) 幸運社 (編集)

 

 

 

 

 

「報・連・相」は鮮度が命

 

 

ホウレンソウにかぎらず野菜は鮮度が命ですが、ビジネスの「報・連・相」もやはり新鮮なほど価値が高いといえます。

 

 

「日報」を書くことを、ルーチンにしている会社や部署があります。それは、「その日の出来事」は、その日のうちに確認する」という考え方に則ったものでしょう。

 

 

しかし、新入社員の頃はともかく、仕事に慣れてくると「この件は、まだ報告できる段階ではない」と自分で勝手に判断し、保留にしてしまうケースもあります。それが順調に進捗しているなら問題ありませんが、トラブルに発展する危険をはらんでいて、ひとたび事が起きてしまったら取り返すのつかないことになります。

 

 

本人は「もう、ひと押しで契約が取れる」「あと少しがんばれば、進行の遅れを取り戻せる」「ちょっと時間をかければ、手当てができる」と考えて、報・連・相を先延ばしにしているのかもしれません。しかし、いつも思った通りに事は運びません。

 

 

あげくの果てに「うまくいきませんでした」と上司に報告しても、「失敗の原因が、昨日・今日だけにあるはずがない」と見破られ、叱責されてしまいます。案件によっては、報・連・相を怠っていた本人だけでなく、その部署、さらには会社全体にまで、その影響が及ぶ場合もあり得るのです。

 

 

ビジネスパーソンの中には「遅いことは、それだけで犯罪」とまでいう人がいます。「仕事は早く、なおかつ速く」がその人のモットーで、実際に「いい報告」も「悪い報告」も、先延ばしをしません。そのため、本人は大丈夫と思ったことでも、上司は「この点は、確認しておくべきだ」とアドバイスできたりします。本人は間違いなく作成したつもりの文書でも、目を通した上司から「ここに見落としがあったよ」と指摘してもらえるのですから、結果として、トラブルの発生を事前に防げるわけです。

 

 

上司から「いちいち、うるさいな」と思われてしまうのは考えものですが、相手の都合を見極めて報・連・相を適切におこなうのは立派な業務です。上司とのコミュニケーションの一種でもありますから、臆することなく積極的に実践すべきでしょう。