第3456冊目 できる人の仕事の基本ワザ大全―――時間管理から人間関係、発想術まで、今日からすぐ使える! (知的生きかた文庫) 幸運社 (編集)

 

 

 

 

-「コミュニケーション」はこまめにとる

 

 

ある心理学者によると、仕事上の人間関係でも恋愛でも、お互いが好意的な印象を持つためには、「短時間でも、単純接触を繰り返す」ほうが、「たまに長時間会って話す」よりも効果的だそうです。

 

 

学生時代に付き合っていた恋人同士が、就職してそれぞれ離れた、遠距離の土地でお互いが生活するようになって、恋愛関係が続かなくなった……というのはよくある話です。その一方で、同じ会社に勤めていて、四六時中顔を合わせる人を好きになるのは珍しい話ではありません。

 

 

多くの営業マンは、商談の席に着いてセールストークを始めて「この会社は脈がない」と察知すると、「ほかにも会社はあるから」と考え、別の会社をあたりがちです。

 

 

しかし、ある営業マンは、どうしても取引相手になってほしい会社に毎日足を運びました。最初のうちは門前払いも同然でしたが、その営業マンは来訪者用の名刺箱に自分の名刺を入れ続けました。

 

 

ある日、その会社から「一度、話を聞きたい」という電話がかかってきました。担当者が新規の取引先を探しているときに、同じ人物の名刺が何名もあることに気がついてからです。

 

 

こうして商談に望んだ営業マンは、マシンガン・トークを炸裂させることもなく、自社商品についての説明を淡々とおこなったそうです。しかし、そのシンプルさがかえって相手側に「この人物なら信頼できる」と感じさせることになり、契約を前提に話をするようになりました。

 

 

 

その後、それぞれの上司とともに商談が進み、ついに契約が結ばれました。しかもその金額が、営業マンの所属する部署で設定していた年間の売上げ目標を大幅に超えるもので、会社に大きな利益をもたらしたのです。

 

 

この営業マンのやり方が、すべての営業マンにとって「正解」であるとはかぎりません。また、商談相手の担当者と波長が合う・合わないも影響します。しかし、こまめにコミュニケーションをとることは大切で、その相手が社外の意人間でも、社内の上司・部下でも変わりはないということです。