■
第3388冊 プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか P・F. ドラッカー (著), Peter F. Drucker (原著), 上田 惇生 (翻訳)
プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))
- 作者: P・F.ドラッカー,Peter F. Drucker,上田惇生
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2000/07/01
- メディア: 単行本
- 購入: 88人 クリック: 689回
- この商品を含むブログ (419件) を見る
-組織の利点
弱みをもとにすることは、組織本来の機能に背く。組織とは、強みを成果に結びつけつつ、弱みを中和し無害化するための道具である。多くのことに強みをもつ人間は、組織を必要としないし、欲しもしない。彼らは独立して働いたほうがよい。しかしほとんどの者は、独力で成果をあげられるほど多様な強みをもっていない。
ヒューマン・リレーションズでは、「手だけを雇うことはできない。手とともに人間がついてくる」という。同じように、われわれひとりでは、強みだけをもつわけにはいかない。強みともともに、弱みがついてくる。われわれは、sのような弱みを仕事や成果とは関係のない個人的な欠点にしてしまうような組織をつくらなければならない。強みだけを意味あるものとする組織を構築しなければならない。
個人営業の税理士は、いかに有能であっても、対人関係の能力を欠くと重大な障害になる。だがそのような人も、組織の中にいるならば机を与えられ、外と接触しないですむ。組織のおかげで、強みだけを生かし、弱みを意味のないものにできる。
こららのことは当たり前といわれるかもしれない。それでは、なぜこれらのことは常に行われないのか。人の強み、特に他部門の同僚の強みを生かすことのできる者は、なぜ稀なのか。リンカーンでさえ、強みをもとに人を選ぶまでに、なぜ三回も弱みをもとに人事を行ったのか。
主たる理由は、目の前の人事が、人間の配置ではなく仕事のための配置になっているからである。したがって、ものの順序として、仕事からスタートしていしまい、次の段階として、その仕事に配置すべき人間を探すとうことになるからである。そうなると、もっとも不適格な人間、すなわちもっとも変哲のない人間を捜すという誤った道をとりやすい。結果は、凡庸な組織である。