第2999目 パーソナル・インパクト 「印象」を演出する、最強のプレゼン術 マーティン・ニューマン (著), 小西あおい (著)


パーソナル・インパクト 「印象」を演出する、最強のプレゼン術

パーソナル・インパクト 「印象」を演出する、最強のプレゼン術

  • 声を「出す間」と、声を「出さない間」の違い


誰かと話していて言葉が出ないとき、日本語では「えーっと…」などと言いますよね? 英語でもそういう場合に、「ummmm…(あーん)」と言います。


非常に興味深い話なのですが、言語学者はこれらを「声を出した間」と呼んでいます。「間」に音をつけているわけです。


なぜ間に音をつけるかについて説明しましょう。


まず、話の途中で何かを考えるときなどに「えー」と声を出すことがありますよね。しかし、「えー」自体にはまったく言葉としても意味はありません。一般的な会話の中では許されますが、公式なスピーチの中でそういう音を出すことは御法度です。


意味のない言葉を通じた会話というものはあります。あかちゃんとその親は言葉がわからないうちから、「あばばばー」とあやしたりして実は会話をしています。そして徐々に言葉を覚え、コミュニケーションがとれるように学習していくのです。


大前提として会話においては「交代に話す」ということは重要なルールです。ひとりが何かを話し終わり、静かになったら次の人がしゃべるという、「話す順番を守る」暗黙の了解があります。ですから、間に音に入れることは、「まだ私は話し終わっていない」「あなたが話すのは、ちょっと待ってください」という合図なのです。会話の中では、特別な意味を持たないけど、コミュニケーションのツールとしては有効です。


しかし公式な場で、プレゼンターとしてスピーチなどをしている場合、あなたの話をさえぎる相手はいないのですから、「話し終わっていない」ということを伝える必要はありません。逆に、そのような場で間に音を入れると、自信がなく、迷っているような印象を与えてしまうだけです。


間にどうしても「えー」や「あのー」を多用してしまう人は、自分が話しているときの動画を撮って、1分間の間に何回「えー」や「あのー」と言っているのかをカウントしてみましょう。自分が思っていた以上にこの言葉を使ってしまっているのではないでしょうか。まず、自分のことを認識することで、意識することができます。徐々に減らしていくトレーニングをしましょう。