第2760冊目 人を動かす質問力 (角川oneテーマ21 C 171) 谷原 誠 (著)
- 作者: 谷原誠
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/07/10
- メディア: 新書
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- 決断を迫る質問とは
人は、他人から命令さえたり押しつけられたりすることを嫌います。自分で思いつきたい、自分で決めたい、と願っています。他人から命令されたり、押しつけられたりすると、自分で決定する自由を侵害されたような気がするのです。ところが、反対に、選択肢があまりにも多くなると、今度は自分で決めることができなくなります。自分の判断に確信が持てず、後で後悔することを恐れてどれも選べなくなるのです。
そこで、相手に決断を迫っていくときは、選択肢を限定し、その選択肢の中から選ばせるようにします。2つか3つが適当です。4つ以上になると選ぶのが負担になります。
先日、私はレストランに行って料理を注文し、ワインでも飲もうかと思ってワインリストを持ってきてもらいました。ところが、ワインリストを開いたところ、見たことも聞いたこともないワインの名前がずらりと並んでいました。どれを選んだらよいかわかりません。そこでソムリエを呼び、今日の料理に合うワインを聞きました。すると、「本日の料理に合うワインであれば、このワインをお勧めします」と1本のワインを勧められました。もちろんそのワインにしても良かったのですが、なんとなく自分に決定権がないような気分がして、あまり良い気分ではありませんでした。また、自分で聞いておいてなんですが、なんとなく押しつけられたような感じがしまいした。そんなこともあり、私が決断を迷っていると、ソムリエは、「他にも、このワインと、このワインも合うと思います」と付け加えました。私はとたんに自分の決定権を回復し、「じゃあ、これにします」とそのうちの1本を得意げに注文しました。そして、料理によく合うワインで、その食事を楽しむことができました。