第2051冊目 劇団四季メソッド「美しい日本語の話し方」 浅利 慶太 (著)


  • 母音法を日常の場面に生かそう


本章で紹介した母音法は、あなたの日常生活において、いろいろな場面で活用することができます。


たとえば、大事なプレゼンを成功させたいとき。あるいは、結婚式のスピーチを頼まれたとき。自分で書いた原稿をただ読み上げるだけでなく、聞き手に思いを伝える美しい日本語を話すために積極的に母音法を用いてください。


まずは、自分で書いた原稿を丁寧に見て、長音、連母音、連子音など特に注意が必要な箇所をチェックします。そのうえで母音だけで読み上げる練習を繰り返します。一音一音分離させて等間隔に並べることを忘れずに。


それができたら、子音も入れて読んでみましょう。


母音法で練習すると、言葉がきれいになるだけでなく、一音一音等間隔に区切っていくことでリズムが整います。緊張して舞い上がってしまうような場面でも、自分のリズムを保ちながら堂々としゃべることができるでしょう。


人前で本を朗読したり、子どもに絵本の読み聞かせをするときも、母音法で練習しておけば、美しく正しい日本語で読むことができます。


いずれの場合も、体、喉、舌、母音それぞれのフォームを保つことをできるだけ意識してみてください。とはいえ、最初から全部やろうとしたら混乱してしまうかもしれません。できることからで結構です。


劇団四季の俳優たちも、最初は読者のみなさんと同じところからスタートしています。焦らずに、失敗したら何度でもやり直してみてください。そのうちに、必ず効果を実感できるようになります。