第773冊目 声と言葉の教科書 勝てる日本語、勝てる話し方 福沢朗/著

声と言葉の教科書 勝てる日本語!勝てる話し方!

声と言葉の教科書 勝てる日本語!勝てる話し方!

目次



第1章 声は心の震えである(赤ちゃんの伝達能力をとりもどす

「心の震え」をこめて ほか)

第2章 伝達能力を高める秘訣(伝達能力向上の三つの処方箋

緊張感をほぐす「グーパーマッハ」 ほか)

第3章 勝てる日本語、勝てる話し方(おすすめの日本語

耳障りなコトバ ほか)

第4章 勝てるコミュニケーション術(会話>手紙>メール

自分のポジションを見極める ほか)

第5章 声をよくする「とっておき」訓練法(本当の自分の声

いい声を出すための体感覚 ほか)


本当の自分の声


みなさんは自分の声を録音して聞いてみたことがありますか?


たいていの人は中学とか高校時代に自分の声を録音して、「うわっ、俺(わたし)ってこんな声だったんだ」とビックリした経験があると思います。


ふだん自分が聞いている自分の声は、耳から入ってくる音よりも、骨伝導といって頭蓋骨を共鳴させて伝わってくる音のほうが大きいので、よく響いた、実際よりいい声に聞こえます。でも人様に伝わるのは口から出た音の部分だけですから、まさに録音された音と同じなのです。


アナウンサーは新人研修の時から訓練の一環として自分の声を録音して聞かさせます。私も新人のとき、当時はICレコーダーなんてなかった時代ですから、小型のカセットレコーダーを持って街角に出て、いろんな場面を実況中継してそれを自分でも聞くし、先輩に聞いてもらって指導していただくという訓練をしました。だからもう自分の汚らしい声はあきれるほど聞いています。


今なら簡単にケータイに声を録音することができますよね。私のマネージャーも「何月何日何時、誰々様」とスケジュールを録音しておいて、あとでメモにまとめたりしています。だから昔みたいにレコーダーを用意しておおくという面倒なことはありません。専用のICレコーダーほど音の性能はよくありませんが、自分の声がどんなものかを知るために使う程度なら、ケーたーで十分でしょう。


まず本章でご紹介する発声や滑舌のトレーニングを始める前に、今の自分の声を録音して聞いてみて、その不明瞭でくぐもった音に驚愕し、自己嫌悪に陥っていただきたい。自分の声がいかにひどいものかという現実を自覚することが、伝達能力向上の第一歩となります。


そして、その後も定期的に録音して変化を確かめてみてください。この本で紹介しているトレーニングを一日に五分ずつでもいいからやって、日ごろから発声や滑舌に注意して話すようになれば、あなたの声はみるみるクリアに聞き取りやすくなっていくでしょう。


録音する言葉は何でも結構です。達成度を確認するためには、同じ言葉で比較したほうがいいので、私がいつも実践している北原白秋の「あいうえおの歌」などが適当かもしれません。


あなたに、すべての良きことが、なだれのごとく起きますように♪


SONY ステレオICレコーダー 4GB SX813 ブラック ICD-SX813/B

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今日の声に出したい言葉


金儲けのうまい人は、無一文になっても自分自身という財産を持っている――エミール・オーギュスト・シャルティエ


声と言葉の教科書 勝てる日本語!勝てる話し方!

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