第699冊目 わかりやすく〈伝える〉技術 池上彰/著


わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)

わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)


目次


第1章 まず「話の地図」を相手に示そう話にはリードをつける/内容整理のポイントは「対象化」(見える化)だ/「階層化」で話の柱や枝を作る…
第2章 相手のことを考えるということ社会部時代の記者リポートで考えた/映像を意識して原稿を書く/最初はみんな同じレベル…
第3章 わかりやすい図解とは何か 短い文にすれば文章がうまくなる/毎日ニュースの図解を考えていた/「在宅起訴って何ですか?」…
第4章 図解してから原稿を書き直すどれだけ「ノイズ」をカットできるか/模型をもとに原稿を作り直す/パワーポイントの作り方…
第5章 実践編 3分間プレゼンの基本数字のデータは身近な表現に/どの要素をパワポにするか/3分間を時間配分するとしたら…
第6章 空気を読むこと、予想を裏切ること しゃべりのうまいタレントとは/自分の持ち味を再発見した/独立して学んだこと…
第7章「わかりやすく伝える」ためのコツ「3の魔術」を活用しよう/冒頭の「つかみ」に最後に戻る/笑いは潤滑油…
第8章「日本語力」を磨く 使いたくない言葉/マジックワードもある/キーワード力をつけよう…
第9章 「声の出し方」「話し方」は独学でも腹で声を出せば腹が据わる/口を大きく開けよう/日本語の発声の基本は「あいうえお」…
第10章 日頃からできる「わかりやすさ」のトレーニング 私の勉強法・情報収集術/「わかりやすい話し方」の自己トレーニング…


日本語の発声の基本は「あいうえお」
Download


聞き取りにくい話し方をすることを「滑舌が悪い」と表現します。


同じ話をしていても、滑舌がいい人と悪い人では、相手に与える印象が全然違います。滑舌が悪いと、「さ」だか「が」なのか「な」なのか、区別がつきにくくなります。ネクラで、自信がなさそうな印象も与えてしまいがちです。話を聞きながら「何が言いたいんだ」と感じさせてしまうのです。反対に滑舌がいいと、明るくて自身に満ちている印象を与えます。


私もキャスターを始めた頃、滑舌がよくないと言われたことがあります。


滑舌に自信がなくても、練習で改善できます。大きな声で「あいうえお」を繰り返してみるのです。


日本語は、基本的に五つの母音で成り立っています。


文の最後はふつう母音で終わります。たとえば、「こういうことでした」なら、「た」はa(あ)で終わるでしょう。「こういうことです」はu(う)でしょう。


日本語の基本は「あいうえお」なのです。


ですから、五つの母音を、腹式呼吸で腹に力を入れながら声に出すことができれば、声の印象は、明るくてはっきりしたものに確実になります。


アナウンサーの場合、毎朝のように、「あいうえお、あお、かきくけこ、かこ……」とトレーニングをしていますが、プロでなければ、別に五十音全部の練習をしなくても大丈夫。プレゼンテーション当日の朝に、大きく口を開けて、「あいうえお」を何回か繰り返すだけで、あなたの声の質は、見違えるように変わります。

あなたに、すべての良きことが、なだれのごとく起きますように♪


CD付き 成功するための声の出し方・話し方

CD付き 成功するための声の出し方・話し方


今日の声に出したい言葉


「雨が降り、洪水が押し寄せ、風が吹いてその家を打ちつけても、倒れることはない。岩を土台としているからである」――「マタイにより福音書」七章

 

編集後記


池上彰さんでもキャスターをはじめたころは、滑舌が悪かったのですね。


私たち素人は、なにもトレーニングを受けていないので「滑舌が悪い」と落ち込む必要はない。「滑舌に自信がなくても、練習で改善できます」という言葉が心強いかぎりです。


池上彰さんへの道は一日にしてならずですね。


日々練習あるのみ!


わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)

わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)