第765冊目 人の心をひらく技術 仕事と人生が変わる「聞き方」「話し方」 小松成美/著

人の心をひらく技術

人の心をひらく技術

目次


第1章 「人とつながる」現場から(自分のすべてを投げ出して聞いた100時間―アストリット・Kとの邂逅
人間に向き合って胸の底にある言葉を導く―中田英寿との仕事
リスクを冒した第一の質問―イチローとの対決 ほか)
第2章 人の心をひらく(ステップ 人の心をひらくマナー
ステップ 会話を深めるスキル
ステップ コミュニケーション力を上げる)
第3章 「人間を聞く」ということ(誰にでも必ず話したいことがある―一期一会という大切な機会に
野心からの解放―和の伝統を受け継ぐ職人との交流
「聞く」技術のさらに上へ―トップアスリートとの現場 ほか)


「聞く力」は読書でも養える


本を読むことは、人の話を聞くことにとても近い行為だと私は思っています。本を読むとき私たちは、そこに何が描かれているのか、作者は何を伝えたいのか、もしくは、この情景はどんなものなのか、いろいろとイマジネーションを働かせます。文字を作者の「声」と捉えるのです。文章が「声」であれば、読むことは聞く行為とまったく同じになります。


「聞いて理解する力」のトレーニングとして読書するとき、黙読でもいいのですが、さらに効果的なのは音読です。


どうしても頭に入れなければならない難しい文献や、企画書、新聞記事などを読むとき、私は一人でじっくりと音読します。音読は「聞く」という行為にさらに似ていて、黙読に比べてインプットの効果が高いと感じます。振り返ってみれば、学生時代にも一夜漬けでよく音読していたものです。


読書、とにく音読は、聞く能力や、聞くことで入ってきた情報を分析する能力を磨くのに役立ちます。


私は、本を読みながら、よくその作家のことを思い浮かべます。なぜこうした物語を書いたのか、どうしてこの文章にこの単語を用いたのか、作家の思考や人生を思い浮かべながら読むのです。そして、たった一つの答えはないけれど、作家の気持ちをトレースして答えを探します。それもまた、相手の気持ちを考えるコミュニケーションに似ているかもしれません。


あなたに、すべての良きことが、なだれのごとく起きますように♪


今日の声に出したい言葉


世の中っていうのはね、それほど、キミに注目しているわけじゃない。
誰もが、自分のことだけに忙しくて、他人のことなんてどうでもいいんだ。――神田昌典

 

編集後記




人の心をひらく技術

人の心をひらく技術