第759冊目 人の心をひらく技術 仕事と人生が変わる「聞き方」「話し方」 小松成美/著

人の心をひらく技術

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目次


第1章 「人とつながる」現場から(自分のすべてを投げ出して聞いた100時間―アストリット・Kとの邂逅
人間に向き合って胸の底にある言葉を導く―中田英寿との仕事
リスクを冒した第一の質問―イチローとの対決 ほか)
第2章 人の心をひらく(ステップ 人の心をひらくマナー
ステップ 会話を深めるスキル
ステップ コミュニケーション力を上げる)
第3章 「人間を聞く」ということ(誰にでも必ず話したいことがある―一期一会という大切な機会に
野心からの解放―和の伝統を受け継ぐ職人との交流
「聞く」技術のさらに上へ―トップアスリートとの現場 ほか)


話し上手な人のマネから始めよう


私が仕事を通して大切に思い、日々修練している「聞く」技術。これまでそれを中心に見てきましたが、ここで、あらためて「話す」力についても考えてみましょう。


「話す」のが苦手な人は、まず模倣することから始めてみるとよいと思います。学校や会社で、話し上手といわれる人が必ずいるでしょう。そうした人をじっくり観察して、まずその話す態度や話題の構成、表情などを模倣する。学びはマネから、です。


また、常套句を知ることも話す上での安心感になります。会社のミーティングや学校の行事では、いわゆる決まり文句があるものです。「本日はお忙しい中、お集まりくださってありがとうございます」とか「本日は私が司会進行を務めさせていただきます」とか、決まり切った文言ですが、スムーズな会話の進行には不可欠です。こうした常套句を活用すれば、その後、自分の意見や考えを話しやすくなるはずです。


もしも、話すことが不得手だと自覚しているなら、話す内容を原稿にして用意すべきです。完璧な文章ではく、箇条書きでもかまいません。少なくとも頭の中が整理させ、あがって頭が真っ白になっても、原稿や箇条書きのメモに目を落とすことで、気持ちを落ち着かせることができます。


原稿を用意したら、それを持って読めばいいのです。きとんと落ち着いて伝わるように読む。ときどき目を上げ、わからなくなったら原稿に目を落とします。


その繰り返しで自分の思考が明確になってきますし、だんだん原稿以上の思いが生まれてきて、新たな思いを加えたくなってきます。自分が思い描いていたことが言葉、もしくはある情景になって浮かんできたら、それを伝えればいいのです。


最初はとにかく模倣を繰り返し、話すための形成を学ぶこと。そして、時間をかけて話す内容を整理し、書き留める。そうした努力から、必ず自分にしかない話や話し方が完成します。それこそが個性になるのです。


あなたに、すべての良きことが、なだれのごとく起きますように♪


今日の声に出したい言葉


こんなバカな、理不尽な上司がいるのも自分のせい、業績があがらないのも自分のせい。そう思えるような人は、どこに行っても成功するでしょう。――小宮一慶

 

編集後記




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