第958冊目 人の心をひらく技術 [単行本(ソフトカバー)]小松成美 (著)

人の心をひらく技術

人の心をひらく技術


効果の高い「鏡」レーニン

何か真剣に伝えたいことがある、どうしても聞きたいことがある――。そんな場合、私はあるトレーニングをします。それは、その思いや質問を紙に書いて読む練習をするのです。しかも必ず鏡の前で行います。鏡の前で練習するとますます力が培われます。私はインタビューの前には、今でもこの鏡練習を行ってから出かけます。

そうすると、鏡の前でしゃべる人(自分)が見えます。その自分を注意深く見つめるのです。自分はこんな顔をしているんだ、こういうふうに口が動いているんだ、笑うと相手にはこう見えるんだ、と、じつにいろいろなことが発見できます。鏡の中の自分は、話し相手にとっての自分ですから、気になることは注意して直していきましょう。

前述したように、会話では表情も大切ですから、笑顔の練習もします。緊張すれば顔の筋肉は硬直しますから、笑顔は精神的なコンディションと豊かな表情を意識する上で不可欠です。

鏡の前で話したり、笑ったり。ふと自分のやっていることを考えると恥ずかしくならないわけではありませんが、誰も見ていないのですし、このようなささやかな練習で会話力が磨かれるのですから、躊躇なく行ってください。