第764冊目 プレイングマネジャーの教科書 結果を出すためのビジネス・コミュニケーション58の具体策 田島弓子/著

目次


はじめに 数字・部下管理・板ばさみ・多忙で激務。“四重苦”の中で日々奮闘している中間管理職のあなたへ
1 気が弱い人ほど「課長業」はうまくいく!
2 5秒でできるコミュニケーション!「初期投資ゼロ」の即効フレーズ
3 コミュニケーションを仕組み化する
4 クセモノ&苦手な人対策「問題解決コミュニケーション」
5 プレイングマネジャーのためのトラブル時のFAQ
おわりに これからの時代のプレイングマネジャーを目指して


どんなに忙しくても「話しかけないでオーラ」だけは出さない


部下が自分に声をかけてきたときは、たとえどんなに多忙であろうと、まずはそれを受け止め、「態度ど示す」ことが必要です。


どんなに忙しいときでも、その瞬間は相手の目を見て「どうした?」と、100パーセントで受け止めることを仕組み化していただきたいのです。


本当に忙しいときはPart2で述べたとおり、「今はちょっと忙しいんだけど」と断り、「○時からだったら30分間とれるけど、そこでも大丈夫」というふうにフォローします。それでも第一声の「どうした?」では、相手と完全に向き合いましょう。どんなに忙しくても、1秒で済むアクションですから、できない理由はありません。


上司たるもの、どんなに忙しくても、「話しかけないでオーラ」だけは出さないことです。


これを出すと、部下は本当に声をかけることができません。そして「田島さんは相談しにくい」と判断してしまった部下とは、みるみる会話が少なくなり、やがて上司と部下とのコミュニケーション不全という不幸な結末を引き起こします。


部下にしてみれば、上司に話しかけることは勇気のいることです。


「すみません、ちょっとご相談があるんですけど」


と部下がデスクに訪ねてきたら、ためらいを乗り越え、タイミングを計り、やっとの思いで声をかえてきたということを察してあげなければいけません。しかし、このように考えることができれば自然と「どうした?」と、明るく答えられるようになるはずです。


これに限らず、部下が話しかけやすい雰囲気を作るには、日頃からの積み重ねがものを言います。「おはようございます」と言われたら。それよりも元気な声で「おはよう!」と返す、これだけでずいぶん違ってくるものです。


ブレイングマネージャーは自分の仕事で必死な部分もあるため、自分は部下だけではなく上司でもある、という観点を忘れがちです。


どんなに自分が忙しくとも、部下はあなたからもアドバイスを求めています。


部下から話しかけられたときには、瞬時にモードの切り替える習慣をぜひ身につけてほしいと思います。


あなたに、すべての良きことが、なだれのごとく起きますように♪


今日の声に出したい言葉


私は、本当のことばというものは、自分の内側にしっかりと埋め込まれた宝物のようなものであるべきだと思っている。しかもその宝物は、自在に取り出すことができなければならぬ性質のものだ。それには、繰り返しそらんじて確かなものにしなければ、本当にわかったとはいえないのだ。――齋藤孝

 

編集後記