第2003冊目 仕事を「すぐやる人」の習慣 (『THE21』BOOKS) [単行本(ソフトカバー)] 「THE21」編集部 (編集)


仕事を「すぐやる人」の習慣 (『THE21』BOOKS)

仕事を「すぐやる人」の習慣 (『THE21』BOOKS)

  • 残業が多いのはプロとして恥


――三週間とは大胆ですね。先ほどの「手抜き」のお話といい、佐々木さんの真似をしたら仕事は速くなりそうですが、上司にはかなりニラまれてしまいそうな気がします。


佐々木 たしかに、私は「かわいくないヤツだ」と思われていたでしょうね。ただ、かわいがられていることが評価につながるというと、じつはそうでもないと思うんですよ。


――えっ、そうなんですか。


佐々木 私も管理職を長年やってきましたから、そのへんはよくわかるのです。どんな仕事でも上司に言われたとおりに一生懸命やる部下は、上司にとって非常にかわいい存在です。でも、仕事ができなかったら、高い評価は絶対につけません。逆に、多少手抜きがあっても、重要度の高い仕事を見極め、しっかり成果を出している部下は、かわいくないけど評価はする。


――佐々木さんが同期のなかでトップ出世したのが、なによりの証拠です。ただ、個人の成果が明確にわからない仕事の場合、残業をたくさんしている部下が、「あいつは頑張っているから」と高く評価されることもあるのでは?


佐々木 どんなに自分では仕事ができない上司でも、誰ができる部下で誰ができない部下かというのはよくわかるもんなんですよ。だから、残業が多いだけの部下はやはり評価されない。上司は「頑張ってるな」なんて口ではいっても、心のなかでは「要領が悪いな」と思っているんです。


――そ、そうなんですか。


佐々木 私はもっと厳しいですよ。私が上司としてチームの仕事を極限まで減らしているのに、それでも残業が減らない部下には、「残業しなければ終わらないなんて、プロとして恥ずかしくないのか」といいます。私自身は家庭の事情で仕事の効率を追求した面もありますが、フルに働ける人も効率は絶対に追求すべき。少なくとも、「残業は恥」という意識をもてば、仕事をあれもこれも先送りにする、なんてことはなくなるはずですよ。