第502冊目 頭はいいのに…なぜうまくいかない? 信頼性獲得のための実践的コミュニケーションスキル アレン・ウィーナー/著 佐藤昌弘/監訳


頭はいいのに… なぜうまくいかない?

頭はいいのに… なぜうまくいかない?


好ましく見せるには


顔は、親しみやすさを表す窓だ。「気さくな人だ」と同僚が評価したら、それは間違いなくあなたの顔から受けた印象だ。あなたが、素直で愛想良い表情をしているからだ。


私は、顔の表情を良くする手段として、とくに笑顔であることを勧めたりはしない。少しも嬉しくないのに、心から笑顔になるはずがない。「ハイ笑って。チーズ」と指示されたときの家族の集合写真を見ればわかる。あまり良い表情ではないはずだ。あなたのお気に入りは、カメラを意識していないときの写真ではないだろうか。


笑顔をつくるかわり、目と顔の上半分は意識的に親しみやすく変えられる。眉を上げる、あるいはほんの少し目を細めると、かなり愛想良く見える。


覚えているだろうか。あなたは、話しているときも、聞いているときも、常に言動を周囲の態度や反応で十分に挽回できるのだ。感じの良い表情で、話し手を「元気づける」ような態度を示せば、好ましく映る。


以前、製薬会社に勤めて11年という部長と昼食をした。彼は、自分のように在職期間が長い人間や、上級管理者が受けるべきコーチングについて、非常に示唆に富む意見をもっていた。


彼は製品管理のプロであって人材開発の専門家ではないが、「上級職の人間が必要なのは、対人能力トレーニング」なのだそうだ。組織の階段を上がれば上がるほど、人は親しみやすさや、素直であることの大切さを忘れがちだ。


その部長は、貯水タンクを描いて解説を始めた。


タンクの底が、組織の人間として最初に必要な能力を表す。この段階では、技術のみならず、チームワーク、対人コミュニケーションを磨くことが必要だ。また、人脈を築くには、好かれやすさ、つき合いやすさ、働きやすさの重要性を学ばなければならない。そして、相手を不快にさせず、反論、議論、交渉する術を身につけるのだ。


次に、管理職になりたとの人間は、仕事を任せることを覚える必用がある。任せることで、相手に対する信頼を示すのだ。そして、経営執行部が求めるものを常に研究し続ける。


上級管理者は、「立ち泳ぎ」をしなければならない。「立ち泳ぎ」とは、「問題を改善しなければ溺れる」ことを意味する。要するに、上級管理者は、好かれやすく、親しみやすく、素直であるように常に心がけなければならないのだ。


あなたにすべてのよきことが雪崩ごとく起きますように♪


今日の名言


「明日死ぬつもりで生きなさい。永遠に生きるつもりで学びなさい」――マハトマ・ガンジー


今日の感想


こんにちは、ソンリッサです。


本日の一冊は、アメリカ大企業のトップクラス向けに、長年コンサル タントをしてきたアレン・ウィーナーによる一冊。


本書によれば、対人交流における意思疎通の60パーセントは非言語的に伝えられるそうです。


不快感を与えるボディーランゲージは、話しているときではなく、聞いているときに表れます。例えば、相手が話している間、まったく相槌を打たない。座っている椅子を前後に揺らす。話し手の後ろを見ている。


こういった無意識に行っている行動は、なかなか自分では気づかないので本書でチェックしてみてはいががでしょうか。


人間関係の改善をしようとする方には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。


目次


はじめに あなたの評価は、たったの5項目で決まっている
第1章 信頼できそうな「見せ方」、「聞かせ方」
第2章 頭はいいのに、上手に伝えられない人
第3章 頭はいいのに、常識がない人
第4章 頭はいいのに、エグゼクティブらしく聞こえない人
第5章 頭はいいのに、エグゼクティブらしく見えない人
第6章 頭はいいのに、傲慢な人
第7章 頭はいいのに、社交的でない人
第8章 頭はいいのに、活力、情熱、意欲がない人
第9章 頭はいいのに、特定の人を攻撃する人
第10章 「頭はいいだけの人」が「信頼できる人」になるための16の心得


頭はいいのに… なぜうまくいかない?

頭はいいのに… なぜうまくいかない?