第466冊目 話し上手は「相づち」が9割 吉田たかよし/著

話し上手は「相づち」が9割 (宝島社新書)

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  • 本当のを相づちを打てば、必ず真実に触れられる

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本当の相づちを打てば、必ず真実に触れられる。私のこのように思って、いつも臨床の現場に立っています。


こう思うようになったのは、ある一人の患者さんを問診したことがきっかけでした。彼女は、とてもトゲがある言い方で不調を訴えていたのですが、こちらが質問しても、なぜか詳しく説明しようとしてくれません。質問の仕方が悪いのかと思い、世間話を切り出して相手をリラックスさせながら病状に関する質問をさりげなくしたのですが、やはり彼女ははぐらかすのです。


そこで私は質問をするのをやめて、もう一度病状に関することを何でいいので思いつくままに話してほしいと伝え、念入りに相づちを打つように心がけました。すると、一つヘンなことに気づきました。話が核心に触れようとすると、彼女は警戒するような表情を浮かべて、別の病状の話をするのです。


私は、なるべく暖かい口調で「よかったら、おっしゃりたいことをすべて語ってみてください。必ず最後まで聞きます」と言いました。「最後まで聞く」と宣言するのは、相手の心を動かしやすい言葉の一つです。この言葉をかけると、見えない心理的な壁をつくっている人でも心を開いてくれることがあります。


彼女の場合もそうでした。ポツリポツリと語り出し、やがて私のところに来る前に三つの病院で受診していたことを語りはじめました。いわゆるドクターショッピングをしていたのです。これは治療に関する重要な情報です。患者さんの気持ちを考えると、病院や主治医を替えることは否定はしませんが、その情報を隠されてしまうと、薬を過剰投与してり、不必要な検査を何度も繰り返すことになります。たとえば、CT検査などは、身体にかなりの放射線を浴びせます。検査を一度すればそのデータをできる限り有効活用すべきなのです。




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  • 今日の名言

「どんな人間でも、完全な嘘つきになれるだけの優秀な記憶力は持ち合わせていない」――エイブラハム・リンカーン

第1章 ツキと成功を呼ぶ相づちパワー(田中角栄は相づちで政界のモンスターになった
有能な政治家ほど相づちを工夫する ほか)
第2章 人の心を動かす相づちの技術(今すぐにできる相づちの技術
話し手の気持ちを受け止めれば目標完遂 ほか)
第3章 会話をコントロールする相づち(話し手をコントロールする相づち
「大変だったね」は魔法の相づち ほか)
第4章 困ったときに使える裏ワザの相づち(会話を盛り下げる裏ワザの相づち
話し手の息継ぎは話を引き取るチャンス ほか)
第5章 相づち力で幸運と金運を呼ぶ(日本人は「しゃべりたがり屋症候群」にかかっている
情報のアンバランスを脳は嫌う ほか)

話し上手は「相づち」が9割 (宝島社新書)

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