第333冊目 頭がいい人の聞く技術 /樋口裕一/著

頭がいい人の聞く技術

頭がいい人の聞く技術


話を横取りする

相手か転職の相談を持ちかけているのに、「俺が転職したときはね……」と自分の話を始める。友人がイタリア旅行の土産を渡そうと連絡をくれたのに、「俺が言ったときは○○ホテルができたばったりたったなぁ」と、何十年も前の話を延々続けたりする。このように話を横取りする人は案外多いものだ。


自分に都合のいい部分しか聞いていない

ずいぶん昔のことだが、友人と協力して仕事をしていたことがある。責任者に仕事を見せたところ、彼の仕事に対して明らかに難色を示している。ただ「これでは使いものにならない」とは正面切って言えないので、遠まわしに出来がよくないことを伝えようとしている。そばで聞いている私にはダメ出し以外に聞こえない。しかし本人はまったくそう受け取っていない。責任者が仕方なしに言っている慰めを本気にして、自分に都合のよいところばかりを受け入れている。


相づちは相手を肯定する言葉で

相づちの基本は、「ええ」「はい」「うん」など、相手を受け止める言葉だ。ただ、これだけではあまりにも機械的だし、感情が伴わない。ある著名なラジオパーソナリティは、駆け出しのころ、「へえ」「なるほど」「ほおー」「たしかに、たしかに」「そういうもんですか」など5つか6つの相づちを覚えておいて、それを交互に打てと教わったそうだ。確かにこのように相づちには、「あなたの話に感心していますよ」というニュアンスが込められている。私の経験からしても、優秀なインタビュアーもよくこの手を使っている。


会話のページめくりになる相づちを覚えておく

より積極的に「聞く」には、「え、それで?」「どうなりました?」と、話をうながすように聞くことだ。すると相手はとても気持ちよく話せる。話を活気づけると同時に、「聞いてますよ」とアピールできる。自分に興味を持ってくれているという安心感から、相手は心を開き、「ここだけの話ですよ」と特別に情報をくれるかもしれない。


第1章 現代人にこそ必要な「聞く技術」(なぜ「振り込め詐欺」に引っかかる人がいるのか
人の話を聞くには技術がいる
「聴く」と「聞く」はどう違うか ほか)
第2章 あなたの周りの「聞けない人」たち(「聴」も「聞」もない
「聴」だけしかない
「聞」だけ ほか)
第3章 聞く力がぐんぐん伸びるテクニック(味方を増やす聞き方
敵を知る聞き方
頭がいい人の質問術)

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