第3943冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる! 近藤崇之 (監修)

 

 

介護リーダーの仕事と役割がわかる!

介護リーダーの仕事と役割がわかる!

  • 発売日: 2017/12/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

介護現場における問題解決の取り組みを推進することは、リーダーの重要な役割の1つです。問題解決の進め方は、実際に職場の問題を自ら発見し、有効な解決策を打ち出すことは、そう簡単なことではありません。

 

ベテランだからといって、KDD(経験と勘と度胸)だけで問題解決を図ろうしても、うまくいかないケースが多いはずです。それどころか、KDDによって打ち出した行き当たりばったりの解決策は、問題点の把握や原因の究明がなされていないので、事態をより悪化させる恐れもあります。

 

本当に有効な問題解決策を導き出すには、問題の原因を正しく把握することが大切です。そして複数の解決策を評価し、ベターな解決策はどれなのかをしっかり選択することが大切です。

 

そのためには、論理的思考によって問題に対処することが必要になってきます。論理的思考とはロジカル・シンキングとも呼ばれるので、簡単にいえば物事を正しい筋道で考えるということです。さらに詳しく説明すると、論理的思考には次のような特徴があります。

 

①「結論」は必ず「根拠」によって支えられている。

②「結論」と「根拠」との間に確かなつながりがある

 

たとえば報告書提出の期日が守られていないことが問題になっている場合、その場しのぎの思いつきで指示を出しても、本質的な問題解決には至りません。そこで、問題の原因を掘り下げて、「業務分担が古いままなので仕事の負担が増え、報告書を書く時間がない」など、真の原因を見出したうえで、その原因を取り除くための解決策に至るのが、論理的思考というものです。

 

つまり、論理的思考によって導き出した解決策にはきちんとした根拠があり、だからこそ有効性の高い解決策となり得るわけです。この論理的思考はリーダーにとって極めて重要なスキルですが、リーダー以外のメンバーにとっても必要なスキルです。

 

この論理的思考は、問題解決にとっての基本となる考え方ですが、介護現場でスタッフに指示を出す際にも非常に役立ちます。論理的思考による結論には根拠があるため、「〇〇〇だから、これをしてください」と指示の理由を示すことができ、理由がわかればスタッフの信頼感も増すはずです。