第3922冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる! 近藤崇之 (監修)

 

 

介護リーダーの仕事と役割がわかる!

介護リーダーの仕事と役割がわかる!

  • 発売日: 2017/12/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

-よいチームとは

 

リーダーは、自分のチームが望ましい形で目標達成に向けて活動できるようにしていかなければなりません。よいチームについて考えてみましょう。

 

これまでの仕事経験や価値観の異なるスタッフがチームとして活動し、それぞれの能力を発揮しながら目標を達成するためには、重要なことがチーム全体で理解され、共有されていなければなりません。重要なこととは、組織の理念や使命、目的や目標、またチームの目標や計画のことです。組織の目的に合うように、チームとスタッフ自身の目標達成のために活動する必要があります。

 

よいチームでは、スタッフが同じ方向を向いて目標に向かって進むことができます。個人的な好き嫌いや価値観の相違を仕事のチームに持ち込まないことは社会人として当然ですが、実際にはそれが対立や葛藤の原因になることもあるので、リーダーはスタッフが目標に向かって行動しているか、スタッフ間のコミュニケーションは円滑か、注意を払う必要があります。

 

リーダーはスタッフが意欲的に仕事に取り組めるように動機づけたり、適切に指示やアドバイスを与えます。またチームがまとまっているかどうかにも気を配ります。個々のスタッフの特性に着目するとともに、チームとしての特性を理解して、相乗効果を高めます。

 

仕事のやり方の共有も大切です。これは利用者サービスの基本となるので、施設での「やり方」は手順書などを通じて徹底します。特に中途採用の経験者のスタッフが前の職場でのやり方や自分なりのやり方で独走しないように、リーダーは気を配る必要があります。

 

職場の情報を「共有」するコミュニケーションも大事です。リーダーはスタッフに「ホウレンソウ」を徹底させ、必要に応じて確認します。またミーティングや会議は効率よく行い、要点をまとめて共有できるようにします。

 

情報は大切な経営資源の1つです。たとえば「利用者の体調が急変した」「配置基準が変わった」などは、「知らなかった」では済まされません。リーダーはチームの情報共有ができているかどうか、意識しましょう。

 

チームは情報共有は重要だという意識が浸透していると、申し送りや記録をする場合にも、きちんと6W2Hの要素を入れたか、「伝えたつもり」で終わっていないかどうかを考える習慣が身につきます。リーダーはスタッフがノートに記録したものをときどき確認するとよいでしょう。