第3923冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる! 近藤崇之 (監修)

 

 

介護リーダーの仕事と役割がわかる!

介護リーダーの仕事と役割がわかる!

  • 発売日: 2017/12/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

-スタッフ(ヒト)に活躍の場を与えよう

 

リーダーはスタッフに指示・命令し、ルールを守って目標達成に向けて仕事をしてもらう役割をもっています。パートのスタッフが多い職場もありますが、パートやアルバイトのスタッフにも役割を与えて、戦力化します。

 

たとえば歌やダンスの好きなパートスタッフにはレクリエーション係になってもらい、利用者が安全に楽しめそうなレクリエーションのアイデアを出してもらい、スタッフ全員でそれを練習し、実現させます。花の好きなパートスタッフなら事業所・施設内に花を飾る担当になってもらってよいでしょう。スタッフ自身はたいしたことではないと思っている能力でも大いに活かせます。リーダーはパートのスタッフに活用の場を提供し、どんどん参画してもらって意欲を高めましょう。

 

そのためにも、まずはリーダー自身がパートスタッフに対して「いつ辞めるかわからないパートにも大事なことは任せられない」「どうせやる気がないだろう」とう固定観念を捨て、「いる限りはしっかりやってもらう」「できることから参画してもらう」と考えるようにしましょう。

 

ボランティアに対しては定期的に何かをしてもらうことを期待しすぎず、気持ちよく協力してもらえる環境を整えましょう。「いつもありがとうございます」と感謝の気持ちを言葉に出すこと、丁寧に応対することが大切です。

 

介護の現場では整理整頓がとても大事です。多くの人が出入りし、時間を過ごす場所が整理整頓されていると、仕事の効率がよくなります。

 

また、利用者にとって事業所・施設は生活の場であり、リラックスして過ごす場所dせう。そこにいること自体が気持ちよいという精神的な面も、利用者サービスの一環として見逃せません。ことに認知症の利用者にとっては落ち着いた「居場所」を提供することがとても重要です。整理整頓が行き届いている施設は利用者にとって居心地がよいことをスタッフ全員が理解しているかどうか、確認してみましょう。

 

スタッフの仕事の都合で環境づくりを行いがちですが、利用者にとって快適な場所になっているかどうか、視点を変えて検討してみることが大事です。自主勉強会を開いたり、地域の方や実習生など第三者からの客観的なアドバイスをもらうとよいでしょう。

 

整理整頓の第一歩として、不要なものを処分しましょう。前から置いてあるが誰もが使っていないものはないか、リーダーが声かけしてスタッフ全員で検討してみる時間をつくりましょう。

 

必要なっものの置き場所は徹底します。ものの置き場所が定まらないと、必要なときに「あれがない」「どこに置いたっけ?」と探すことになり、無駄な時間を使うことになります。それをスタッフ全員が毎日繰り返しているとしたら、どれだけ効率が悪いかを、リーダーは認識しましょう。

 

また、整理整頓が得意なスタッフを「美観係」に任命し、収納するコツなどをスタッフ全員に共有してもらうこともできます。昼食やおやつの後のテーブルがきれいに片づいているか、必要な物品は整理して置かれているか、点検する場所はいくらでもあります。

 

 物品や食材などの扱いや保管をきちんとすることは、食中毒や感染症に対する対策をとること(リスクマネジメント)になり、衛生面からみても重要です。しっかり管理することで、物的資源を無駄なく安全に使いこなせると同時に利用者の信頼を得ることができます。リーダーは適材適所で係をつくり、特定の人に負担が集中しないように気をつけましょう。

 

事業所・施設では利用者の送迎に使う車や、機械設備を丁寧に扱うことが大事です。車や機械類は事故や故障の原因にある恐れがあることを十分に認識して整備点検を徹底します。利用者に貸し出す車いすなどの介護用品の整備も重要です。

 

送迎者や営業車は事業所・施設の名前が大きく入っていますから、その車の汚れや目立つ傷がある状態で地域を走り回っては、事業所・施設の印象を大幅に損ないます。運転者や責任者への注意喚起が必要と思われる場合は、リーダーが速やかに関係者に相談します。