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第3920冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる!
-よりよくなることを期待してからしかる
ほめることに比べ、しかることは難しいと思っているリーダーは多いようです。確かにスタッフをしかるときには注意が必要です。ほかのスタッフの目の前や利用者がいる場でスタッフをしかるのはやめましょう。もちろん感情的になってしかるのもよくありません。
一方で、スタッフの間違った行動に対して見て見ぬふりをすることも問題です。1人のスタッフの間違った行動に知らん顔をしてしまうと、ほかのスタッフにも「それでよいのだ」と思わせることになります。すると徐々にチーム全体がルールを守らなくなり、行動がずさんになったり、自己流の行動をとったりするようになります。これでは目標達成どころか利用者サービスの質の低下にもつながりかねません。
スタッフをしかるのはそのスタッフの間違った行動を改善してもらうためです。しかることは指導の一環です。
「落ち込んでいるのではないか」「気にしすぎていないか」などと心配な場合は、その後のスタッフの仕事ぶりを観察し、必要に応じて声をかけていくとよいでしょう。
大切なのは、スタッフが前向きな気持ちになれるようにしかることです。そのスタッフに対する期待感、もっとよくなると信じている気持ちを込めて言葉づかいに注意することが必要です。
しかるときには、できるだけスタッフと1対1になれる場所を選びます。そして「さっきのBさん(利用者)の車いすの介助でブレーキをかけたのはよかったけれど、左右の足台をしっかり上げてなかったでしょう。足台を上げておかないとBさんの足が引っかかって転倒したり、足にけがをしたりする危険性があるから、必ず足台をしかり上げてください」というように、その行動の間違いと問題点を説明し、正しいやり方を具体的にアドバイスしましょう。
このときは必ず間違った行動だけについて説明し、過去の失敗などほかのことをもち出すのはよくありません。また、一度しかって指導すればすぐに行動は修正されるとうものではないので、その後も注意して見守ります。
同じミスを繰り返す
ミスを繰り返すのはその仕事のやり方がよく理解できていないなどの問題があると考えられるので、一緒に原因を考えていく
前回も同じような問題でミスをしましたね。何が原因だろうか。まずそこから考えてみましょうか。ひょっとするとあなたが思っている原因と違うかもしれません
仕事の仕上がりが不十分
工夫した点をねぎらい、そのうえでさらに上を求めるリクエストをする
迅速な報告ありがとうございます。こういうことが家族やケアマネとの信頼関係をつくっていくためには欠かせないですね。家族に伝えるときはもう少し整理して結論から話すと、よりわかりやすいと思いますよ
時間にルーズ
時間に遅れる理由をたずねる。そのうえで遅刻した場合のリスク、周囲への影響を伝える
集合時間に遅れた理由を教えてもらえますか? 私たちは限られた時間で仕事をしています。貴重な利用者さんへのサービスの時間を減らしてしまっているし、場合によっては同僚の時間を無駄にしている可能性もありますよ
何でも人のせいにする
主体的に動けるように指導する。ほかの人の責任にできないような問いかけをして答えさせる
担当者としてあなたは自覚が体内ように思います。そこで今回のようなことが再び起きた場合、あなたはどのように対処しますか?
落ち込みやすいタイプで、しかりにくい
原因を本人の責任にしてしからない。諭すように話す
今回は利用者さんからのクレームになってしまったけれど、あまり失敗したことで自分を責めるのではなく、仕事の手順を一緒に振り返っていきましょう。
正論だが、言い方がきつい
プライドが高い傾向があるので、プライドを傷つけないようにする。相手の将来に期待しているというようにアドバイスする
あなたの主張は正しいと思います。でも言い回しで損をしていて、正しい主張であってもあなたの話は聞きにくいと思います。相手の立場を考えながら話すと、みんなが聞いてくれると思いますよ