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第3918冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる!
-具体的にでき、成果が業務に結びつくOJT
仕事を通じて行うOJTでは、日常業務のあらゆる機会が指導育成の場になります。スタッフの技術・技能、知識などのレベルに合わせて行うことのできるOJTは、職場研修のなかで最も重要と位置づけらます。
OJTと聞くと排泄介助などの介護の技術のことだと思うかもしれませんが、実際にはそれだけではありません。ミーティングや介護の進め方、さまざまな記録の取り方なども実際の仕事で学ぶことがたくさんあります。
リーダーは学ぶスタッフの意欲や実際に行ったときの態度や習熟度を注意深く観察します。そして、そのスタッフが必要な技術・技能、知識、仕事に必要な態度や価値観などを確実に身につけられたかどうか評価します。OJTは難しすぎてもやさすぎてもうまくいきません。
OJTではリーダーだけでなく、先輩スタッフも後輩スタッフを指導します。現場での学び合いによって、互いの信頼感を高め、チームとして結束を強くすることになり、チームの風土づくりにつながります。
誰が教えるにしても、「望ましい行動」ができるように、具体的な言葉で指導します。
研修のなかでも、OJTには次のようなメリットがあります。
特別な時間や費用はかからない
必要に応じて実施できる
スタッフの能力に応じて実施できる
きめ細かい指導ができる
研修の成果が日常業務と結びつきやすい
リーダー、先輩とスタッフ、後輩の信頼関係が強くなる
仕事に教え方には4段階があります。段階を踏んで指導することによってスタッフは着実に能力を身につけ、現場での仕事に反映させることができるようになるのです。各段階でもスタッフの理解度をよう観察します。
第1段階 習う準備をさせる
具体的な仕事の内容を教える前に、まず「今から、このことを習うぞ」という心の準備をさせる助走段階です。特に新人スタッフの場合は堅調観があるので、いきなり本題に入ってもなかなか頭に入らないものdせう。
また、第1段階でのポイントは、その仕事の目的を伝えて、相手が習うための動機づけをすることです。
新人に対する指導は、リーダー自身が行うこともありますが、スタッフに指導役を任せることもリーダーの役割です。スタッフに指導役を任せる場合は、OJTには4段階があり、第1段階では、心の準備をさせて動機づけを行うことなど、指導スキルを身につけているようにアドバイスします。
第2段階 仕事の内容を説明する
実際に仕事の内容を説明します。業務マニュアルなどがあれば、その箇所を一緒に確認しながら説明していきます。
ここでのポイントになるので、成功のコツ、失敗のコツをはっきりを伝えること、根気よく教えることです。
“教えるのは、これで3回目だろ”“何回言えばわかるんだ”と思いがちですが、あくまで「相手の理解度に合わせて教える」のが肝心です。「スタッフができないのは、私の教え方が悪いから」という姿勢が、教える側がもつべき基本姿勢と考えましょう。
第3段階 実際にやらせてみる
実際に利用者に行う前に、スタッフ同士あるいはリーダーを利用者に見たてて、実際にやってもらいます。いわゆるロールプレイです。この段階では実際にやって間違いを直したり、手順を言わせたりしながら、そのスタッフがすべてきちんとできるようになるまで繰り返し行います。
ここでのポイントになるのは、行動を振り返らせることです。
第4段階 教えた後を見る
いよいよ本番、スタッフが実際にやってみる段階です。ここでは、スタッフがわからないことがあったらすぐに質問できるように、指導役を必ず近くで見守ります。
うまくできたらほめ、徐々に声かけを減らし、1人でやらせてスタッフに自信をもたせます。ときどき様子をチェックするなど教えた後のフォローを欠かさないことが肝心です。
職場全体で新人を育てる
リーダーは、指導役にのみ指導を任せるのではなく、ほかのスタッフが指導役をサポートできるようにし、職場全体で新人を育成する場をつくることに注力します。