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第3742冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる!
-ストレスの程度を見極めることが大切
リーダーは、利用者だけ向き合っていればよいものではないので、どうしても一般のスタッフよりもストレスが大きくなります。たとえば、スタッフの欠勤で日常的なケア業務に追われているのに、事務所の上司から資料の作成を求められたり、虐待防止の研修を行ったのい、食事介助の際に「早く食べて!」と利用者をしかるスタッフがいたりと、頭を抱えたくなる問題が次から次へと出てきます。リーダーとしての責任感が強ければ強いほど、感じるストレスも強くなるでしょう。
過剰なストレスは悪循環を招く
ストレスを感じることは、絶対に悪いというわけではありません。リーダーである限り、ストレスがあって当たり前です。適度なストレスは人を成長させるものであることも、知っておきましょう。
大切なことは、自分の感じているストレスが適度なものなのか過剰なものか、それを見極めることです。
過剰なストレスは、心、体、行動の3つの面によくない反応を引き起こします。たとえば、イライラしてスタッフに八つ当たりしたり、不安のせいでスタッフに的確な指示ができなくなることも考えられます。頭痛、胃の痛み、じんましんなど、体に症状が出ることもあります。行動面の影響には、食べる量や酒量が増える、人との折衝を避けるなどがあります。そして、リーダーとしての務めを満足に果たせない自分に対して、またストレスがつのるという悪循環に陥りがちです。
燃え尽き症候群(バーンアウト)やうつ病の危険性も高まります。燃え尽き症候群になると、心に余裕がなくなり、スタッフや利用者に思いやりのない言動をとるようになり、仕事への意欲も集中力も急激に低下します。また、うつ病では、不眠、体のさまざまな痛み、意欲の低下など、さまざまな症状が起こります。いずれもそこから回復するためには、長期休暇が必要になる場合もあります。
リーダーが感じやすいストレス
スタッフに対して感じるストレス
コミュニケーションがとれていなくて、気持ちがわかり合えない
陰口を言われたり、不快な言動をさえる
事務所や上司に対して感じるストレス
がんばっているのに、評価してもらえない
相談できる人もおらず、サポートしてもれない
仕事の量が多いのに給与が低い
自分自身に対して感じるストレス
リーダーとしての役割を把握できていない
リーダーとしての自信がないままでいる
ストレスによるダメージを防ぐためには、日ごろからストレスが過剰なものになっていないかチェックし、精神的・身体的な変調を感じたら早めに手を打つことです。
まずは、今の自分に危険なストレスのサインが出ていないかチェックリストで採点してみましょう