第3743冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる! 近藤崇之 (監修)

 

 

-権限の委譲

 

 

「職務」の意味と権限の委譲について理解しておきましょう。

 

 

職務は、特定の人やグループに割り当てられた仕事のことで、責任、権限、義務で成り立っています。責任、権限、義務とは、次のようなものです。

 

 

責任:果たさなければならないこと。つまり、目標通りの成果を上げ、組織の一員として割り当てられ受け持った役割を果たすこと

 

権限:責任を果たすのに必要な力のこと。目標通りの成果を上げるために与えられた資源を使ったり、自分で判断し意思決定したりすること

 

義務:与えれらた権限を完全に行使し、責任を果たすこと

 

 

職務の遂行には、必ず責任があり、責任を果たすためには権限が与えられます。この責任と権限は等しい関係にあり、責任が大きくなるほど権限も大きくなります。また、責任と権限が大きくなると、義務も大きくなります。

 

 

スタッフに権限を委譲する

リーダーのなかには、以前の一般介護職と同様の業務を抱え込んでしまい、リーダー本来の業務を行えていない人が多いようです。

 

そうならないためには、スタッフに仕事を分担させることが必要になります。スタッフに仕事を分担させるためには、それを行うための権限を与えます。仕事は与えても、権限を与えないというのでは、スタッフは成長しません。スタッフの能力などを見極め、適切な仕事と権限を委譲して仕事を任せます。リーダーは、それによって空いた時間を使い、業務の改善と人材の育成を行うようにします。

 

 

権限委譲の基本的な姿勢

  • 部下を信頼し、高い視座からあたたかく見守る
  • 進行状況を見つめ、適宜報告を求める
  • 育成的な視点で指導・助言を行う
  • 部下の主体性や意欲をそぐような介入は避ける
  • 誤った権限委譲は、決断よく引き戻す