第3768冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる! 近藤崇之 (監修)

 

 

介護リーダーの仕事と役割がわかる!

 

 

-ストレスの程度を見極めることも大切

 

 

リーダーは、利用者にだけ向き合っていればよいというものではないので、どうしても一般のスタッフよりストレスが大きくなります。たとえば、スタッフの欠勤で日常的なケア業務に追われているのに、事務所の上司から資料の作成を求められたり、虐待防止の研修に行ったのに、食事介助の際に「早く食べて!」と利用者にしかるスタッフがいたりと、頭を抱えたくなる問題が次から次へと出てきます。リーダーとしての責任感が強ければ強いほど、感じるストレスも強くなるでしょう。

 

 

ストレスを感じることは、絶対に悪いというわけではありません。リーダーである限り、ストレスがあって当たり前です。適度なストレスは人を成長させるものであることも、知っておきましょう。

 

 

大切なことは、自分の感じているストレスが適度なものか過剰なものか、それを見極めることです。

 

 

過剰なストレスは、心、体、行動の3つの面によくない反応を引き起こします。たとえば、イライラしてスタッフに八つ当たりしたり、不安のせいでスタッフに的確な指示ができなくなることも考えられます。頭痛、胃の痛み、じんましんなど、体に症状が出ることもあります。行動面の影響には、食べる量や酒量が増える、人との接触を避けるなどがあります。そして、リーダーとしての務めを満足に果たせない自分に対して、また、ストレスがつのるという悪循環に陥りがちです。

 

燃え尽き症候群バーンアウト)やうつ病の危険性も高まります。燃え尽き症候群になると、心に余裕がなくなり、スタッフや利用者に思いやりのない言動をとるようになり、仕事への意欲も集中力も急激に低下します。また、うつ病では、不眠、体のさまざまな痛み、意欲の低下など、さまざまな症状が起こります。いじれもそこから回復するためには、長期休暇が必要になる場合もあります。