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第3741冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる!
-自分を知ることがキャリアデザインの基盤
スタッフを指導し、マネジメントも行うという介護リーダーの仕事はたしかに大変なことです。自分はリーダーに向いていないのではと、悩むこともあることでしょう。しかし、見方を変えれば、介護の仕事にリーダーの立場で携わることは、責任が大きい分、やりがいも大きく、自分の能力をさらに高めて成長できるチャンスでもあるのです。
このチャンスを最大限に活かし、自分の可能性を広げていきないならば、漠然と日々の業務をこなしているだけかもしれません。自分が何を目指して仕事をするのか、明確な目標をもつことが大切です。そのために非常に有効な手立てが、キャリアデザインを描くことです。
キャリアデザインとは、これまでの職業人生を踏まえたうえで、仕事を通じて将来的に実現したい自分像、あるいは到達したいゴールを定め、そのゴールに向かう道筋の設計図をつくることです。
設計図をつくるといっても、決して難しいものでもありません。自分の中で図のような作業をしっかりと進めていけば、キャリアデザインが描きあがります。
自己イメージを明確化する問い
描き方のポイントについて順を追って解説していくこともしましょう。
キャリアデザインを描くためには、まず自分のこれまでのキャリアを見つめなおすことが必要です。介護という仕事のキャリアの中で、どのようなことを学び、どのようなスキルを培い、どのような喜びや苦労があったのか、あらためて振り返ってみるのです。
キャリアを振り返るための実用的な問いとして、キャリア研究の代表的研究者エドガー・シャインとマイケル・アーサーがそれぞれ提唱した、問いがあります。
シャインの3つの問い
①得意なことは何か?
②やりたいことは何か?
③何をしているときの自分に意味を感じ、社会に貢献しいいると感じるか?
アーサーの3つの問い
①強みはどこにあるのか?
②何かをしたいとき、なぜそれがしたいと思うのか?
③これまでどんな人とのつながりをもち、どのようにそのつながりを活かしてきたか?
シャインとアーサーの問いは、あなたの能力や才能、仕事に関する動機や欲求、もっている価値観、あなたと周囲との関係性といった面に対応する問いです。問いの回答を検討することによって、今の自分はどんな自分なのかを発見することができます。つまり、これまではっきりと意識できていなかった自己イメージを明確化することができるということです。
回答を検討する際には、自分の思いに目を向けるだけではなく、リーダーとして求められる役割にも目を向けることが大切です。「今の自分の姿」をきちんと見極めて評価することが、これからのキャリアを展望するうえでの基盤となります。