第3715冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる! 近藤崇之 (監修)

 

 

 

 

スタッフが直接利用者に接して、サービスを提供する介護事業所では、スタッフの言動そのものでサービスの価値が決まります。サービスを受ける利用者、またその家族は、スタッフと接することで、満足を感じたり、不満を抱いたりするのです。つまり、スタッフの成長はサービスの質を左右します。

 

 

一方、スタッフの定着はなかなか難しいことです。

 

 

社会福祉施設についてある調査では、職員の離職率の低い施設の取り組みとして挙げられたもののなかに、「適切な研修の実施」「職員の能力発揮・成長機会の提供」が挙げられているように、これらを実施していただければスタッフもがんばることができます。

 

 

自分の能力が伸び、それが自分でも実感できる、伸びた能力を発揮して難しい仕事にもチャレンジできるなど、人材育成がしっかりと行われると、「従業員満足」が高くなり、その結果スタッフがイキイキと仕事をすると、利用者に質の高いサービスを提供できます。それが「利用者満足」につながり、施設の評価が高まって、利用者がさらに増えます。また従業員の離職率が低くなり、優秀な従業員も採用しやすくなります。利用者が増え、従業員が継続して働いてくれれば、事務所としての収益も評価も高くなるので、「経営者満足」も満たされるのです。これを経営の3者満足といいます。

 

 

従業員満足 ES:Employee Satisfaction

従業員が仕事にやりがいを感じている、公平な評価が受けられ、安心して働けると感じていること。収入によって生活が安定することも重要

 

 

利用者満足 CS:Customer Satisfaction

利用する人が、ずっとこの施設を利用したい、ここが好きと思ってくれること

 

 

経営満足 MS:Management Satisfaction

事業で適切な収益を得られつつ、事業が継続できること。その地域や行政との信頼関係ができている