第3825冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる! 近藤崇之 (監修)

 

 

介護リーダーの仕事と役割がわかる!

 

介護の現場では整理整頓がとても大事です。多くの人が出入りし、時間を過ごす場所が整理整頓されていると、仕事の効率がよくなります。また、利用者にとって事業所・施設は生活の場であり、リラックスして過ごす場所です。そこにいること自体が気持ちよいという精神的な面も、利用者サービスの一環として見逃せません。ことに認知症の利用者にとっては落ち着いた「居場所」を提供することがとても重要です。整理整頓が行き届いている施設は利用者にとって心地がよいことをスタッフ全員が理解しているかどうか、確認してみましょう。

 

 

スタッフの仕事の都合で環境づくりを行いがちですが、利用者にとって快適な場所になっているかどうか、視点を変えて検討してみることが大事です。自主勉強会を開いたり、地域の方や実習生など第三者からの客観的なアドバイスをもらうとよいでしょう。

 

 

整理整頓の第一歩として、不要なものは処分しましょう。前から置いてあるが誰も使っていないものはないか、リーダーが声かけしてスタッフ全員で点検してみる時間をつくりましょう。

 

 

必要なものの置き場所は徹底します。ものの置き場が定まらないと、必要なときに「あれがない」「どこに置いたっけ?」と探すことになり、無駄な時間を使うことになります。それをスタッフ毎日繰り返しているとしたら、どれだけ効率が悪いかを、リーダーは認識しましょう。

 

 

また、整理整頓が得意なスタッフを「美観係」に任命し、収納するコツなどをスタッフ全員に共有してもらうこともできます。昼食やおやつの後のテーブルがきれいに片づいているか、必要な備品は整理して置かれているのか点検する場所はいくらでもあります。

 

 

物品や食材などの扱いや保管をきちんとすることは、食中毒や感染症に対する対策をとること(リスクマネジメント)になり、衛生面からみても重要です。しっかり管理することで、物的資源を無駄なく安全に使いこなせると同時に利用者の信頼を得ることができます。リーダーは適材適所で係をつくり、特定の人に負担が集中しないように気をつけましょう。