第3766冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる! 近藤崇之 (監修)

 

 

介護リーダーの仕事と役割がわかる!

 

-やる気を高めるリーダーになる

 

 

リーダーはスタッフのやる気を高めなければなりません。やる気を高めるリーダーはスタッフに信頼されているということです。スタッフは、リーダーが信頼できる人間かづか常に見られています。信頼を獲得し、スタッフのやる気を高めるには、普段からの言動や姿勢が問われます。

 

やる気を高めるリーダー

メンバーがほめられると一緒に喜び、がんばりとして評価する

あいさつや身だしなみ、整理整頓など基本的なことを率先して行っている

メンバーの成功体験や失敗体験から学ぶ姿勢がある

メンバーの失を自分の失敗としてとらえ、一緒に責任をとってくれる

メンバーや利用者などに対して、常にポジティブな姿勢で接することができる

 

 

やる気をなくさせるリーダー

自分の過去の成功体験を押しつけるばかりで、柔軟な発想でアイデアが出せない

会議などの場で、すべて自分の手柄のように報告する

メンバーがほめられると、自分の指導がよかったからだとだけ考える

すぐに責任回避し、保身に走る

朝礼や打合せで、いつも売上や稼働率などの数字のことばかりを中心に話す

 

 

リーダーには、思いやりが必要

やる気を高める行動をとっていない人は、心のどこかで「スタッフはリーダーのために働くもの」と考えていませんか? もしそうであれば、自分が思い描く「リーダーのあり方」を根本的に変える必要がありそうです。近年、日本の企業にも広まっている「サーバントリリーダーシップ」という概念を知って、自分を振り返るといいでしょう。

 

 

これは、R・グリーンリーフが1970年に提唱した「リーダーである人は、まず相手に奉仕し、その後相手を導くものである」というリーダーシップ哲学に基づいており、支援を通じて、周囲から信頼を得て、主体的に協力してもらえる状況をつくり出すリーダーシップのことです。

 

 

以前は成功したリーダーシップが今度は通じない!?

介護リーダーの浜田さんは、有料老人ホーム「〇〇の里」に転勤して約1年が経ちます。浜田さんは、以前勤めていた有料老人ホームで業務の効率化を図り、スタッフの残業時間を減らして、高い評価を得ました。現在の施設でも実績を出そうとがんばってきました。

 

ところがある日、施設長に呼ばれ、女性スタッフ数人から「浜田さんはいつもきつい口調で指示ばかり出すので、こわくて言いたいことも言えない」という訴えが寄せられたと聞き、びっくり。以前の施設と同じやり方なのに、なぜ反発を買うのかと浜田さんは悩み、リーダーとしての自信をなくしてしまいました。

 

講師からひと言

少しつまづいたようですが、リーダーとして誰もが通過することです。これまでの成功体験はいったん引き出しにしまい、新しい職場のフォロワー特性や環境などの状況特性を把握する必要があります。「リーダーシップを規定する要因」でみた通り、どこに行っても同じスタイルで通用することがありません。自分の特徴を理解しつつ、変えるべきところは変えることあリーダーには求められます。リーダーには、チームの発展に貢献する柔軟性が必要です。